第90ミサイル航空団 (アメリカ軍)

第90ミサイル航空団

第90ミサイル航空団（90th Missile Wing）は、アメリカ空軍における重要な部隊の一つで、宇宙戦略を担う第20空軍（20th Air Force）に属しています。この部隊は大陸間弾道ミサイル（ICBM）を運用し、アメリカ戦略軍の指揮下で作戦を行います。

基本情報

第90ミサイル航空団の司令部は、ワイオミング州にあるフランシスE.ワーレン空軍基地に位置しています。この部隊の人員は約4,500名で構成されており、4つの群で編成されています。各群の構成は以下の通りです。

• - 第90作戦群 (90th Operations Group)
• - 第90任務支援群 (90th Mission Support Group)
• - 第90警備隊群 (90th Security Forces Group)
• - 第90整備群 (90th Maintenance Group)
• - 第90医療群 (90th Medical Group)

その中でも主力となるのは第90作戦群で、これには3つのミサイル中隊と1つのヘリコプター航空隊が含まれています。ヘリコプターは主に人員輸送や兵站支援を担い、部隊の運用を円滑にしています。

歴史

第90ミサイル航空団のルーツは1942年4月15日に遡ります。ミシシッピ州で設立された第90重爆撃群がその起源で、第二次世界大戦中にはB-24爆撃機を使用して太平洋戦域で活動しましたが、1946年に一度編成解除されました。その後、1947年と1948年にはそれぞれ第90超重爆撃群が編成されましたが、いずれも短命で終わりました。

1951年1月2日には、第90中爆撃航空団（90th Bombardment Wing）がB-29爆撃機を装備して再編成され、その後は訓練部隊として機能しました。さらに1953年には中戦略偵察航空団に改編され、RB-47とKC-97を装備しました。これにより、航空団は新たな役割を担い、1963年にはミニットマンIICBMを装備した第90戦略ミサイル航空団（90th Strategic Missile Wing）に再改編されました。

1986年には、ピースキーパーを運用する第400ミサイル中隊が設立されましたが、これは2005年に廃止されました。1980年代から2000年代にかけて部隊は名称を数度変更し、2008年7月1日には第90ミサイル航空団として現在の形に至っています。

主要設備と運用

第90ミサイル航空団は、ワイオミング州からコロラド州にかけて広がる地域にミサイルサイロを配置し、緊急時にも迅速な対応ができる体制を整えています。また、他の3個群は主に支援役割を担っており、部隊全体が高い戦闘能力を維持しています。

以上が第90ミサイル航空団の歴史と構成についての概要です。冷戦期以来、部隊は核抑止力の一環としての役割を果たしており、現代においてもその重要性は変わっていません。

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