第90親衛戦車師団 (ロシア陸軍)

第90親衛戦車師団の歴史

第90親衛戦車師団はロシア陸軍の一部であり、主に第二次世界大戦以降の重要な軍事的役割を担ってきました。この師団の歴史は、1941年の設立に始まり、以降の数十年にわたり数多くの戦闘任務に従事してきました。

1941年の設立と第二次世界大戦

1941年8月、ソビエト連邦の軍隊として形成された第325狙撃師団が、この師団の起源です。軍事的な対立の中で、同年12月から独ソ戦に参加し、数々の戦闘で成果を上げました。その結果、赤旗勲章を受賞するなどの栄誉が与えられ、1945年には第90親衛狙撃師団に改称されました。戦後にはポーランドへ移動し、機械化部隊として再編成されます。

冷戦期の活動

1957年、装甲部隊としての役割が強調される中で第38親衛戦車師団となり、1965年には師団番号の返還が行われて第90親衛戦車師団として再び名を変更します。その後、1968年にプラハの春に展開し、1985年には再び編成が行われました。この時期にこの師団は、冷戦のさまざまな局面で活動を続けていました。

ロシア陸軍への編入

1991年のソビエト連邦崩壊後、1992年にロシア陸軍に統合され、その後数年の間に様々な再編成が行われました。同年には独立した自動車化狙撃旅団へと改編され、1995年には第一次チェチェン紛争に投入されました。

1997年には武器保管基地に改編され、その活動は1998年に終了しましたが、2016年には新たな編成を経て再び第90親衛戦車師団として再出発を遂げました。

ウクライナ侵攻における役割

2022年2月に始まったウクライナ侵攻に際して、この師団は重要な役割を果たします。侵攻に参加し、数々の戦闘で前線に展開しましたが、キーウやチェルニーヒウなどで思うような戦果を上げられず、多くの損失を出しました。

特に、前線での戦闘中に重大な戦争犯罪が報告され、EUから制裁を受ける事態も発生しました。この背後には、師団内での指揮官の自らの指導による失敗が影響していると考えられています。

現在の状況

2023年に入ると、この師団は新たな戦域に適応し、さらなる戦闘を繰り広げています。特に、ドネツィク州やルハーンシク州での厳しい戦闘に参加し、占領地の防衛や拡大に努めています。これにより、歴史的な背景を持つこの部隊は、今なおロシア軍の中で重要な役割を担っています。

出身者と影響

第90親衛戦車師団には、著名な軍人も多数存在します。特に、著名な指揮官として知られるヴィタリー・ゲラシモフやウラジーミル・ブルガコフなどの人物が出身者として名を連ねています。彼らの足跡は、師団の誇り高い伝統を支える一因ともなっています。

もう一度検索