第94期棋聖戦 (将棋)

第94期ヒューリック杯棋聖戦 概要

第94期を迎えたヒューリック杯棋聖戦は、日本将棋連盟と産経新聞社が主催する将棋の主要なタイトル戦の一つです。この年度の棋戦は、2022年5月10日に開幕し、五番勝負最終局が行われた2023年7月18日までの一連の対局を指します。

五番勝負の詳細と結果

本棋戦の頂上決戦である五番勝負は、2023年6月5日から7月18日にかけて実施されました。この五番勝負で、当時の棋聖である藤井聡太が、挑戦者の厳しい追及を退け、3勝1敗でタイトルを防衛しました。この防衛により、藤井棋聖は棋聖位の保持を4期連続とし、自身の持つ記録をさらに更新しました。

今期の五番勝負では、特別な対局地が注目を集めました。第1局は、将棋の公式戦としては約4年ぶりとなる海外での開催となりました。これは、第4期叡王戦の第1局以来のことです。さらに特筆すべきは、新型コロナウイルス感染症の流行以降、初めて海外で行われた公式対局であったこと、そしてベトナムで将棋の公式戦が開催されるのはこれが将棋界史上初めての出来事であったことです。

五番勝負の対局形式は、各局1日制で、両対局者に持ち時間として各4時間が与えられました。先手・後手は、第1局と第5局で対局前に振り駒によって決定されました。対局は一方が先に3勝した時点で終了となり、以降の予定されていた対局は実施されませんでした。第1局の対局開始時間は、開催地であるベトナムの現地時刻で午前9時でしたが、これは日本時間では午前11時にあたります（ベトナムとの時差は+2時間）。

予選トーナメント

五番勝負への挑戦者を選出するため、本棋戦では長期にわたる予選が行われます。予選は一次予選、二次予選、そして決勝トーナメントの三段階で構成されます。

一次予選

一次予選は、2022年5月10日から同年11月1日にかけて行われました。この予選には多くの棋士が参加し、持ち時間各1時間（チェスクロック使用）で熱戦が繰り広げられました。この段階を突破した8名の棋士が、次の二次予選へと駒を進めました。一次予選は8組に分かれて実施されました（イ組からチ組）。

二次予選

二次予選は、2022年10月5日から2023年1月20日まで開催されました。一次予選を勝ち上がった棋士に加え、シード棋士などが参加します。この予選では、持ち時間各3時間の対局が行われました。二次予選を勝ち抜いた12名の棋士が、決勝トーナメント進出の権利を獲得しました。二次予選は12組に分かれて行われました（1組から12組）。

決勝トーナメント

予選を勝ち抜いた精鋭が集う決勝トーナメントは、2023年2月22日から同年4月24日にかけて開催されました。ここでは、五番勝負で棋聖のタイトル保持者に挑む権利をかけた戦いが繰り広げられました。トーナメントの組み合わせは、2023年1月31日に公表されました。このトーナメントを勝ち抜いた一名が、藤井聡太棋聖への挑戦者となります。

就位式

第94期棋聖戦で見事タイトルを防衛した藤井聡太第94期棋聖の就位式は、防衛から数ヶ月後の2023年10月3日に、東京都内の帝国ホテルにて盛大に執り行われました。この模様は、インターネット上の動画共有サービスであるYoutubeを通じて広く公開されました。

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