笹本一雄

笹本一雄について

笹本一雄（ささもと かずお、1898年6月20日 - 1964年6月11日）は、昭和時代における日本の実業家であり、政治家としても活動した人物です。群馬県新田郡太田町（現在の太田市）で生まれた彼は、警視庁職員であった父・笹本一郎のもとで育ちました。

学歴と初期のキャリア

笹本は群馬県立館林中学校を卒業後、明治大学法科で学びました。彼のキャリアは、内閣調査事務の嘱託や軍需省、商工省での職務から始まります。特に、朝鮮総督府における顧問としての経験が彼の経歴において重要な位置を占めています。帰国後は、商工省総務局の嘱託や帝国信報社の経済部記者としての役割を担い、さらに東洋電線や東亜窯業の取締役を歴任しました。

大政翼賛会と戦後の活動

また、中小企業の経営者を支援するために、大政翼賛会によって設立された新産業連盟の会長としても活躍しました。第二次世界大戦後は、大陸からの引揚者に雇用を提供するため、東洋海運倉庫を組織し、社長の地位につきました。

1947年には衆議院議員選挙に立候補しようとしましたが、公職追放に直面し、その計画は断念せざるを得ませんでした。追放が解除された後、1952年の第25回衆議院議員選挙に無所属で出馬したものの、惜しくも落選。翌年の第26回総選挙においては見事当選し、政治の舞台に戻ることに成功しました。彼はこの後も、第27回総選挙で再選される一方、第28回では次点となり落選。この時期、彼は日本航空工業会の顧問や、防衛政務次官として活躍しました。

最後の選挙と引退

さらに、自由民主党においても重要な役職を歴任し、産業組織局商工部長を務めました。1960年11月の第29回総選挙では再び当選し、彼の衆議院議員としての通算在任期間は3期にわたりました。しかし、続く第30回総選挙では次点となり、政界から一旦退くこととなりました。

生涯の終焉

笹本一雄は1964年に亡くなりましたが、その活動は地域経済や国政に多大な影響を与えました。彼の経歴は、戦前から戦後にかけての日本の政治や経済の変遷を象徴するものと言えるでしょう。彼の存在は、当時の日本にとって重要な転機を迎える中で、経済と政治の接点に立つ一人として記憶されています。彼に関する詳細な情報は、群馬県人名大事典や議会制度百年史などの文献からも確認できます。

もう一度検索