笹生衛

笹生衛（さそう まもる）氏は、1961年3月18日に生まれ、日本の神道研究において重要な役割を果たしている学者です。現在、國學院大學の教授として教鞭を執る傍ら、同大学の博物館長としても活躍しています。

千葉県で生まれた笹生氏は、1985年に國學院大學大学院文学研究科博士課程前期を修了しました。その後、千葉県教育庁に勤務した後、國學院大學に戻り、神道文化学部の准教授、そして教授へと昇進しました。2006年には、学位論文「東国古代・中世の村落と信仰」が認められ、博士（宗教学）の学位を取得しています。この学位取得は、彼の研究が学術的に高く評価されていることを示すものです。

笹生氏の研究は、神道、特に古代から中世にかけての祭祀や信仰を考古学的な観点から考察することに特色があります。彼の著書には、その研究成果が詳細にまとめられています。

代表的な著書としては、以下のようなものがあります。

『神仏と村景観の考古学 地域環境の変化と信仰の視点から』（弘文堂、2005年）：この著書では、地域環境の変化が信仰にどのように影響を与えたのかを、考古学的なデータに基づいて分析しています。
『日本古代の祭祀考古学』（吉川弘文館、2012年）：古代の祭祀に関する考古学的研究をまとめたもので、当時の祭祀の実態を具体的に明らかにしています。
『神と死者の考古学　古代のまつりと信仰』（吉川弘文館・歴史文化ライブラリー、2015年）：古代の人々が死者や神をどのように捉え、どのような祭祀を行っていたかを考古学的に分析しています。
『まつりと神々の古代』（吉川弘文館、2023年）：古代の祭りや神々に関する研究をまとめたもので、祭りの起源や変遷について考察しています。

また、共編著として、

『神社の歴史と祭り 事典』（岡田莊司共編、吉川弘文館、2013年）：神社と祭りの歴史に関する事典で、研究者や学生にとって貴重な資料となっています。
『プレステップ神道学』（弘文堂、2011年）：神道学の入門書として、神道とは何かを分かりやすく解説しています。

これらの著作を通じて、笹生氏は、神道研究において、単に文献を読み解くだけでなく、考古学的な視点を取り入れることの重要性を広く示しました。彼の研究は、神道の歴史と文化をより深く理解するために不可欠なものです。

笹生氏の研究業績は、researchmap、J-GLOBAL、KAKEN（科学研究費助成事業データベース）などの研究者データベースでも公開されており、多くの研究者や学生が彼の研究にアクセスできるようになっています。また、國學院大學の教員一覧や研究者プロファイルでも紹介されており、彼の教育者としての側面も知ることができます。

國學院大學という日本有数の神道研究機関において、研究と教育の両面で貢献している笹生衛氏の今後の活動に注目が集まります。

もう一度検索