筈見有弘

筈見有弘について

筈見有弘（はずみ ありひろ、1937年8月20日 - 1997年6月14日）は、日本の映画評論家として幅広く知られる存在でした。本名は松本有弘で、映画評論家である父、筈見恒夫の筆名を受け継いでいます。また、妻の渡辺祥子も映画評論家という家庭環境で、彼の映画に対する情熱が育まれました。

略歴

東京都新宿区に生まれた筈見は、1960年に慶應義塾大学文学部仏文学科を卒業しました。この間、演劇に対する熱意を持つようになり、毒蝮三太夫や影万里江とともに「劇団山王」を創立しました。卒業後は、イタリフィルムや日本ヘラルド映画で宣伝担当としてキャリアをスタートさせ、その後1975年からはフリーとして活動を開始しました。

1977年には『映画宝庫』が創刊され、筈見は責任編集者の一人として参画しました。また、日本大学芸術学部での講義も担当し、その知識を育む活動も行っていました。1993年には、妻と共に監修した『映画・ビデオ・テレビ外国俳優大事典』が評価され、淀川長治賞を受賞しました。

著作

筈見有弘の著書には、映画についての多様なテーマが扱われています。彼の代表的な単著には、1984年に発表された『スクリーン専科面白クイズ』や、1986年の『ヒッチコック』、1987年の『スピルバーグ』などがあります。また、1991年には『ハリウッド・ビジネスの内幕』や、1998年には『ハリウッド・カップルズ』など、映画の裏側や監督に焦点を当てた書籍も執筆しています。

共著としては1995年に出版された『映画で見る20世紀 : 1900～2001』があり、この書籍は映像を通じて現代史を振り返る内容となっています。また、『ハリウッド・スキャンダル』という著作では、アメリカ映画業界の光と影について論じています。彼の作品は学術的な深さと共に、一般読者にも理解しやすい内容が多く、彼のスタイルが伺えます。

筈見は編著書や監修工作も行っており、映画関連の多くの書籍に関与しています。特に『ゲーリー・クーパー―静かなる男、甦るアメリカの夢と魂』や『エリザベス・テーラー : 20世紀のクレオパトラ』などのシリーズは、シネアルバムとして刊行されています。彼の作品の中には、ハリウッドの黄金期に焦点を当てたものも多く、映画史における重要な人物を取り上げています。

影響

筈見有弘は、日本の映画評論界に大きな影響を与え、多くの後進に道を開きました。映画に対する愛情を語る数々の著作は、映画に感動し、その魅力を伝えようとする世代に引き継がれています。彼の日々の執筆活動や評論を通じて、映画文化の振興に寄与した功績は今もなお多くの人々に評価され続けています。筈見有弘の功績は不滅であり、今後も多くの映画愛好家に影響を与えることでしょう。

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