筑紫 (巡洋艦)

筑紫（つくし）

筑紫は、日本海軍が運用した巡洋艦で、艦名は九州の古称に由来します。この艦は元々チリ海軍によって発注された「アルトゥーロ・プラット」の一隻であり、その後日本海軍に引き渡されました。

概要

筑紫は、イギリスのニューカッスルに位置するアームストロング・ミッチェル社の造船所で建造され、サー・エドワード・リードの設計によって進められました。当初は南米の太平洋戦争に関連して建造された艦でしたが、契約が解除される中、日本海軍がこの艦を1883年に購入し、「筑紫」と命名されました。筑紫は日本海軍初の鋼製艦であり、同時に帆走装置を全て廃止して内燃機関による運用を実現した艦でもあります。また、主砲の旋回を水圧機械で行い、艦内には初めて白熱電灯が装備されました。このように筑紫は、兵装や機関において当時の最新技術を採用し、砲艦として優れた速力を誇っていました。

艦型と機関

筑紫は日本海軍での初の鋼製艦艇であり、ボイラーは低円缶が4基、高圧で90ポンド/平方インチを誇ります。主機は横置型2段気筒レシプロエンジン2基で、高効率の推進を実現し、2軸での推進が行われました。気筒の直径は高圧30インチ、低圧60インチで、復水器も装備されていました。

兵装

筑紫の購入時の兵装は、安式10インチ砲2門、40ポンド砲4門、9ポンド砲2門、ホチキス砲4門からなり、主砲の旋回には水圧による装置が使われました。魚雷発射管は装備されていないため、脆弱性もありました。

役務と艦歴

筑紫は日清戦争や日露戦争などの重要な戦闘にも参加しました。特に、日清戦争では大連・旅順攻略作戦に従軍し、日本海戦でもその存在をアピールしました。戦後、警備艦としての役割が増し、1906年からは雑役船に編入されました。その後、廃船となり、1911年には売却されました。

艦船技術の革新

技術面でも筑紫は重要な船でした。白熱電球やシーメンス式発電機の導入に加えて、主砲の旋回機構が水圧式であったことなど、進んだ技術が搭載されていました。これにより、日本海軍の近代化に寄与した部隊としての地位を成立させたのです。

結論

筑紫は日本海軍の歴史の中で、科学技術の革新と軍艦の進化を象徴する艦艇です。様々な戦争に関与しながら、艦の設計や運用のすべてにおいて当時の最先端を行っていました。その結果、日本海軍の艦隊における重要な一翼を担い続けました。

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