筒井広志

筒井広志：作曲家から小説家へ、多才な才能の軌跡

筒井広志（1935年8月26日 - 1999年2月28日）は、日本の作曲家、小説家として知られています。歌手・女優の筒井明日は娘にあたります。東京生まれの彼は、慶應義塾大学法学部を卒業後、作曲家としての道を歩み始めました。

作曲家としての活動：CMからアニメ、そして演劇音楽まで

師事した広瀬健次郎氏の下で研鑽を積んだ筒井は、CMソングやアニメの主題歌などを中心に作曲家として活躍しました。特に1964年頃からは、国民的歌手の江利チエミの編曲家として、テレビの歌番組や舞台でその才能を発揮しました。

彼の作曲活動は多岐に渡り、幅広いジャンルを網羅しています。代表的な作品としては、誰もが知る体操番組『ピンポンパン』のテーマ曲「ピンポンパン体操」（作詞：阿久悠、作曲：小林亜星、編曲：筒井広志）や、よみうりテレビの番組『びっくり日本新記録』のテーマ音楽などが挙げられます。

また、著名な作曲家である小林亜星氏とのコラボレーションも多く、小林氏の楽曲の編曲を数多く担当しました。その中には、多くの子供たちに愛されたアニメソングも含まれています。

さらに、筒井自身も歌唱した作品も存在し、多様な才能を垣間見ることができます。ミュージカル作品への楽曲提供や劇伴音楽の作曲も行っており、その音楽活動は、テレビ、ラジオ、映画、舞台と多方面に広がっていました。

小説家としての活動：SFから青春小説まで

作曲家としての活動と並行して、筒井は小説家としても成功を収めました。1981年、『我等が宇宙永遠に平和なれ』で小説家デビューを果たし、その後も数々の作品を発表しました。特に『アルファ・ケンタウリからの客』は彼の代表作の一つとして知られ、この作品はミュージカル『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』として舞台化もされています。

彼の小説は、SF的な要素を持つものから、青春小説、そして人生の機微を描いた作品まで、多様なテーマと作風を特徴としています。読者に深い感動を与え、考えさせる作品も多く残しています。

その他の活動：ラジオパーソナリティなど

筒井は作曲家、小説家としての活動に加え、ラジオ番組の人生相談コーナーでレギュラー相談員を務めるなど、幅広い活動を行っていました。彼の温かい人柄と深い洞察力は、多くの人々を魅了しました。

急逝とその後

1999年、63歳という若さで急逝しました。彼の死は、音楽界、文壇に大きな衝撃を与えました。しかし、彼の残した作品は、多くの人々の心に残り続け、現在も愛され続けています。

代表的な作品一覧

作曲

かっぱえびせん（カルビー CM）
冒険コロボックル（オープニングテーマ『白い風にのって』、エンディングテーマ『冒険コロボックル』）
おだてブタ（ヤッターマン 挿入歌）
この雨に濡れて（1969年、ミュージカル『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』劇中歌）
ドリーム（1988年、ミュージカル『シャボン玉とんだ宇宙までとんだ』主題歌）

編曲

きめろ!スマッシュ（1971年、『コートにかける青春』より。作曲：小林亜星）
剣道一本（1972年、『剣道一本!』より。作曲：小林亜星）
剣道仲間（1972年、『剣道一本!』の副主題歌。作曲：小林亜星）
京の手まり唄（1973年、作曲：小林亜星）
そして、数多くのアニメ作品や特撮作品の劇伴音楽を手掛けています。

著書

オレの愛するアタシ
アルファ・ケンタウリからの客
アンダンテで行こう
夢を見る前にシャワーを浴びて
そして、他にも多くの小説作品を発表しています。

舞台

ミラクル
* シャボン玉とんだ宇宙までとんだ（原作・音楽）

筒井広志は、作曲家、小説家として、そしてラジオパーソナリティとして、多方面で活躍した稀有な存在でした。彼の作品は、今もなお多くの人々に愛され、その才能は後世に語り継がれています。

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