筒井直久

筒井直久は、1903年（明治36年）11月12日に長野県東筑摩郡神林村（現在の松本市）で生まれ、2002年（平成14年）11月10日に98歳で亡くなりました。彼は、日本の公吏、政治家、そして実業家として、激動の時代を駆け抜けました。

生い立ちと学歴

筒井は、筒井浜十郎、きん夫妻の五男として誕生しました。旧制松本中学（現在の長野県松本深志高等学校）を経て、旧制松本高校文科甲類に進学。1930年（昭和5年）には京都帝国大学法学部を卒業しました。これらの教育機関で、彼は高い学識と教養を身につけました。

公吏としてのキャリア

大学卒業後の1932年（昭和7年）、筒井は東京府の公吏となり、東京市社会局や麻布区総務課長などを歴任しました。この時期には、行政官としての実務能力を磨き、社会問題に対する深い洞察力を養いました。1945年（昭和20年）に退職し、故郷の長野県に戻りました。

松本市長としての功績

1946年（昭和21年）8月から1947年（昭和22年）3月まで、筒井は松本市助役・市長代理を務めました。そして、1947年（昭和22年）4月、初の公選による松本市長選挙で当選し、正式に市長に就任しました。市長在任中は、市消防本部、企画室、婦人課の設置をはじめ、松本競輪場や松本市立博物館の開設に尽力しました。さらに、信州大学本部や陸上自衛隊松本駐屯地の招致にも成功し、松本市の発展に大きく貢献しました。彼は、戦後の混乱期において、市民生活の安定と復興に力を注ぎました。

実業家としての活動

市長退任後、筒井は実業家として新たな道を歩み始めました。池上電気株式会社や東京製缶工業株式会社の社長を歴任し、経営者としての才能を発揮しました。これらの企業で、彼は技術革新や組織改革を推進し、業績向上に貢献しました。

その他の活動

1955年（昭和30年）2月には、第27回衆議院議員総選挙に右派社会党公認候補として長野県第4区から立候補しましたが、残念ながら落選しました。政治の世界では、その実績を十分に発揮することはできませんでしたが、彼の幅広い活動は、多くの人々に影響を与えました。

親族

筒井の兄である筒井茂也もまた、官吏として東京市区長を務めました。兄弟そろって、社会に貢献した人物として知られています。

まとめ

筒井直久は、公吏、政治家、実業家として、それぞれの分野でその才能を発揮し、社会に貢献した人物です。特に、松本市長としての功績は大きく、戦後の松本市の発展に多大な貢献をしました。彼の生涯は、多くの人々に勇気と希望を与え、その足跡は後世に語り継がれるでしょう。

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