筧克彦

筧 克彦 (かけい かつひこ)

筧克彦は1872年12月28日に生まれ、1961年に逝去した日本の著名な法学者および神道思想家です。彼は東京帝国大学法学部で教授を務め、また國學院大學でも教鞭を取った人物です。学問における彼の功績により、法学博士号を取得し、従三位勲二等の栄誉を授かりました。

経歴

長野県の諏訪に生まれた筧は、旧諏訪藩士である父・筧朴郎の元に育ちました。彼は東京府尋常中学校を経て、帝国大学法科大学に進学し、1897年には法律学科を首席で卒業しました。その後、ドイツに留学し、オットー・フォン・ギールケやアドルフ・フォン・ハルナックなどの名教師に師事しました。

1903年に帰国後、東京帝国大学の教授に就任し、当時の法学界における重要な論客として活動しました。また、明治大学や海軍大学校などでも教え、多くの後進の学者たちを育てました。特に憲法や行政法の教育を重視し、戦前の帝大法科において中心的な役割を果たしました。

家族

筧の一族には、彼の遺志を継いだ子たちがいます。長男の筧素彦は宮内省に勤務し、終戦時には重要な役割を果たしました。次男の筧泰彦は学習院大学で名誉教授として活動し、父の著作の編纂に関わりました。

研究・思想・活動

彼の法理学は「事物関係」に基づいており、さまざまな関係性を通じて公法理論を展開しました。特に彼の提唱した「表現関係」と「独立関係」は、社会的な関係を理解する上で重要な視点を提供します。また、彼は古神道の研究にも深く関わり、戦前期の神道理解に影響を与えました。

筧の授業では、しばしば神棚を用いた ritualが行なわれ、「惟神」の考え方が説かれ、学生たちの間でも話題となりました。天皇機関説事件後には、天皇主義と国家主義を強く支持し、教学刷新に関するさまざまな提案を行いました。

特徴的な学説

1912年における「上杉・美濃部論争」は、筧にとって国体としての観点から看破されるべき課題であり、彼は国家と天皇、臣民の一体性を強調しました。昭和10年代には、彼の著書において国家と天皇の一体性が論じられ、「古神道」に基づく思想を広めました。彼はまた「万歳」の使用を批判し、日本固有の表現である「いやさか」を擁護しました。

弟子・影響関係

筧の教えを受けた多くの名士たちがいます。彼の思想は南原繁や賀屋興宣などの政治家、学者に影響を与えました。また、貞明皇后の信任を受け、彼女に多くの講義を行ったことでも知られています。

栄典

彼の業績は高く評価され、様々な栄典を授与されました。特に勲二等瑞宝章は、彼の学問的貢献を象徴するものとして重要です。

著作

筧の著作には、『古神道大義』や『大日本帝国憲法の根本義』など、神道や法理学をテーマにしたものが多数あります。彼の知見は今日においても重要視されています。

戦後の研究

筧克彦に関する研究は、主に彼の国家論や神道教育に焦点を当てて行われており、後世の研究者たちに影響を与え続けています。

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