箱入り娘 (パズル)

箱入り娘：スライドパズルの奥深い世界

箱入り娘は、スライディングブロックパズルの一種で、限られたスペースの中で駒を動かし、特定の駒を外に出すことを目的とした一人用パズルゲームです。シンプルなルールながら、奥深い戦略性が多くの人々を魅了し、長年にわたり親しまれています。

箱入り娘の概要

箱型の容器の中に、様々な大きさの駒が敷き詰められています。駒は溝に沿って水平方向にスライドでき、空いているスペースを利用して駒を動かします。通常、最も大きな駒（「娘」と呼ばれることが多い）を、他の駒を動かしながら出口へと導き出すのが目的です。

名称の由来は、駒の配置が、まるで家族が娘を大切に守っているように見えることから名付けられたと言われています。駒には家族を表す文字や絵柄が描かれていることが多いですが、将棋の駒や他の絵柄が用いられることもあります。

構造と配置

箱入り娘は、通常以下の要素で構成されています。

箱: 4×5のマス目で構成されることが多い。
大駒（娘）: 2×2の正方形。
長方形駒: 2×1の長方形。
小駒: 1×1の正方形。

大駒は初期状態で上辺中央に配置され、下辺中央の穴から出すのが一般的な目的です。ただし、下辺に穴がない場合は、大駒を下辺中央に移動させることを目標とします。初期配置は様々で、配置によって難易度や最小手数も異なります。

一般的に、長方形駒の数が多いほど難易度が高くなります。「上辺中央は大駒、下辺中央の2マスは空き」という条件で駒を配置した場合、多くは解が存在しますが、中には解が存在しない配置もあります。

様々なデザイン

駒のデザインは様々で、「娘」の駒の周囲を家族に見立てた駒で囲んだデザインが有名ですが、チェスやトランプ、将棋の駒、人物などをモチーフにしたものも存在します。無地の駒を用いたシンプルなデザインも人気です。

歴史

箱入り娘は、世界中で様々な名前で親しまれています。英語では「Klotski」と呼ばれ、ポーランド語で木のブロックを意味する「klocki」が語源となっています。ルイス・W・ハーディは「Pennant Puzzle」として1909年に商標登録しています。

日本で流行し始めたのは昭和10年代（1935年）頃で、中国では「華容道」と呼ばれ、三国志に登場する曹操がモチーフとなっています。

関連項目

* 15パズル

箱入り娘は、シンプルなルールの中に奥深い戦略が詰まった、魅力的なパズルゲームです。ぜひ一度、その世界に触れてみてください。

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