築城 (城)

築城（ちくじょう）

築城とは、城を建設することを指します。日本においては、城の目的を明確化し、適切な土地を選ぶことから始まります。これを「選地」と呼び、その後に「縄張り」や「普請」、「作事」といった一連の手続きを経て、最終的に城が完成します。

選地

城を築く際には、まず最適な場所を選定する「選地」が必要です。この過程では、可能な限り少ない土木工事で目的に見合った城を築くことが求められました。自然の地形を有効に活用し、敵からの防御や自軍の出撃がしやすい場所を選ぶことが重視されました。

城主や城兵の居住地、物資の倉庫、交通路へのアクセスも重要視され、政庁としての機能も持つ城では市街地との結びつきも考慮されました。平地に築かれる城、いわゆる平城や平山城では、河川を天然の堀として活用することが一般的でした。一方、山城では山の険しさや谷がそのまま防御に利用されることが多いです。

縄張

日本の城は、堀と土塁で囲まれた曲輪によって構成されています。主たる部分である主郭（本丸）を防ぐ形で曲輪を配置し、それぞれの大きさや形態、堀の深さや幅、さらには建物の位置や規模も詳細に設計されました。このプロセスを「縄張り」と言います。また、縄張りという言葉は、動物のテリトリーを指す用語にも転用されています。

普請

「普請」は元々、土木工事を指す言葉ですが、特に城の土木工事を城普請と呼ぶこともあります。普請段階では、まず堀や土塁の計画を実際の現場で縄を使って描いていく「縄打ち」という作業が行われます。これは、現代の建築工事における「遣り方」に似た目的を持ちます。この段階では、地形を整え、各種の堀を形作るほか、土を盛り上げたり、必要に応じて石垣を築いたりします。石垣工事は、技術を持たない作業員を指導する石垣職人によって進められました。

作事

普請が終わると、次に「作事」という建築工事が始まります。この段階では、塁の上に櫓を建てたり、塀を設置したりします。また、城の出入口には虎口と呼ばれる門も作られます。具体的な施工は縄張りに基づいて行われ、専門の大工たちによる図面に従って進められます。平面図や立面図、そして柱や梁の立ち上がりを示す建地割図といった図面が整備され、実際の施工に用いられます。このような複雑な過程を経て、城は立派に完成を迎えいきます。

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