築山古墳 (大分市)

築山古墳の概要と歴史

築山古墳（つきやまこふん）は、大分県大分市の神崎にある5世紀代に造られた前方後円墳です。この古墳は1936年に国の史跡に指定され、重要な文化財としてその価値が認められています。築山古墳は佐賀関半島の北西海岸に位置し、そこからは著名な猫塚古墳に近い場所にあります。

物理的な特徴

古墳の全長は90メートルで、前方部が50メートル、後円部は直径40メートルという規模を誇ります。高さは前方部が8メートル、後円部が10メートルで、幅は45メートルに及びます。また、墳丘に施された葺き石が美しく残されており、当時は豪華な葬儀が行われたことを物語っています。後円部の一部は村社八幡神社の境内に含まれており、地域との関わりが深いことが伺えます。

発掘調査と出土品

古墳が発見されたのは1932年で、その後の調査で貴重な副葬品が発見されています。特に重要な『三種の神器』として知られる鉄剣や鏡、管玉が無事に出土したことは、盗掘を逃れた点で大きな意義を持つと言えるでしょう。しかし、墳丘が周辺の開発により削られているため、当初の形状は完全ではありませんでした。調査は当初、県の史跡調査員によって行われ、その後、京都大学の佐藤虎雄氏が関与するなど学術的な面でも注目されました。

発掘時には、後円部から2基の緑泥片岩製の石棺が見つかりました。一基は「北棺」と呼ばれ、女性の遺体が発見されています。またもう一基は「南棺」と称され、男性と女性、合計で3体の骨が見つかっています。これらの出土品からは、呪術的な意味を持つ女性の墓である可能性も浮かび上がってくるなど研究が進められています。

副葬品の一覧

出土した副葬品の中には、以下のような貴重なものがあります：

• - 南棺から：朱、麻織物片、絹織物片、環頭大刀、鉄剣、ガラス製小玉、鉄鏃、農工具など
• - 北棺から：貝釧、管玉

これらの副葬品は、当時の人々の生活や信仰、技術水準を理解する上で不可欠です。

文化財としての位置づけ

築山古墳は国の文化財として指定されており、その出土品も大分県の指定文化財として重要視されています。周辺には他にも多数の古墳が存在しており、地域の歴史的背景をさらに深掘りするための貴重な用地となっています。

現在の状況と祭り

近年、築山古墳に関しては地域の活性化を目指して「石棺さま祭り」が復活し、地元の人々による文化継承の活動が行われています。2005年には、規模を拡大された祭りが大分市の支援を受けて行われ、多くの人々が参加するイベントとなりました。

これにより築山古墳の文化的価値は再評価され、地域の歴史を再確認する貴重な機会ともなっています。今後も調査や保護が進められることで、さらなる歴史の解明が期待されます。

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