篠田和久

篠田 和久 (しのだ かずひさ)

篠田和久は1946年11月15日に岐阜県多治見市で生まれ、2015年7月26日に死去した日本の実業家です。彼は王子ホールディングス（旧王子製紙）を代表する経営者として、また日本経団連の副会長や日本製紙連合会の会長を歴任しました。篠田の実業界における影響力は非常に大きく、特にグローバル化や企業の再編における戦略は多くの人々に注目されました。

教育とキャリアの始まり

篠田は岐阜県立多治見北高等学校を卒業後、1969年に一橋大学法学部を卒業し、王子製紙に入社しました。キャリアの初期においては、苫小牧工場関連業務を担当し、1995年には工場管理部長に昇進。以降も多くの役職を歴任し、経営管理部門の強化に寄与しました。

代表取締役社長としての挑戦

2006年、篠田は王子製紙の代表取締役社長に就任。その直後、北越製紙に対する敵対的株式公開買付（TOB）を計画しましたが、この試みは失敗に終わり、三菱商事が北越製紙の筆頭株主となる結果となりました。この事件は日本の企業における敵対的TOBとして特に注目を浴びました。失敗について篠田は公の場で謝罪し、この問題を根深い課題として受け止めました。

グローバル化と中国市場への進出

篠田は企業のグローバル化を進めることにも注力しました。2007年には、中国市場への進出を強化するため、江蘇省南通市に合弁会社を設立し、大型工場の建設に着手しました。この南通工場は、揚子江に専用埠頭を有する施設で、2010年に操業を開始しました。このプロジェクトは、内需が冷え込む中で成長市場である中国への対応策として位置付けられていました。

幅広い役職と経歴

2012年には王子製紙の代表取締役会長に就任し、その後も健康上の問題がある中で様々な役割を遂行しました。また、日本製紙連合会の会長や日本経済団体連合会の副会長としても活動し、岐阜県人会の理事など地域における役割も担いました。

晩年と死去

2015年、篠田は健康の問題から王子製紙の会長を退任し、特命事項担当取締役として引き続き関与しましたが、同年の7月26日、原発不明がんにより68歳でこの世を去りました。彼の逝去は日本経済界に大きな影響を与え、多くの人々から惜しまれました。篠田和久の歩んだ道は、実業家としての力量だけでなく、リーダーシップの重要性を再認識させるものでした。

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