篠田次郎

篠田 次郎のプロフィール

篠田 次郎（しのだ じろう）は、1933年生まれの日本の清酒評論家および建築家です。彼は特に「吟醸酒ブームの仕掛け人」として広く知られており、日本の酒文化に多大な影響を与えました。

経歴の始まり

仙台市に生まれた篠田は、地元の商業学校を卒業後、福島大学の経済学部に進学しました。学業を終えた後、東京へ移り住み、化粧品会社に勤めることになりますが、そこからわずか数年後に仙台に戻り、建材会社に勤務。これが彼の建築に対する関心をさらに育むことになりました。この時期に、新潟県の酒蔵の設計にも携わり、酒と建築の融合を深めていきます。

1965年には独立し、友人と共に篠田安藤建築設計事務所を設立。ここで彼は多くの技術士や中小企業診断士などの資格を取得し、1973年には資格を持った一級建築士となりました。彼のもとには全国から酒蔵設計の依頼が舞い込み、2000年までに50カ所以上の酒蔵設計を手がけています。

吟醸酒ブームの仕掛け人

1975年、篠田は「幻の日本酒を飲む会」を発足させ、日本酒の普及活動に尽力します。この活動を通じて、彼は日本酒文化の重要な普及者となり、吟醸酒に対する一般的な認知と人気を高めることに成功しました。「吟醸酒ブームの仕掛け人」という称号は彼を象徴するものでありますが、本人はこの呼称に対して必ずしも満足していたわけではありません。

人生の試練

しかし、篠田の人生には困難もありました。彼は先天性の網膜色素変性症を抱えており、1995年には失明に至ります。この影響で2000年には「幻の日本酒を飲む会」を解散せざるを得ませんでしたが、その後も執筆活動を続け、視覚障害者向けの酒蔵見学ツアーなど新たな取り組みを始めました。こうして彼は障害を乗り越え、多くの人々とのつながりを大切にしながら活動を続けていきます。

研究機関の代表

2002年には特定非営利活動法人吟醸酒研究機構の「世話人頭」に就任し、酒文化のさらなる発展に貢献しています。彼の人生や活動を通じて、酒に対する深い知識と愛情が映し出されています。

主な著書一覧

篠田は多くの著書を執筆しており、以下にいくつかの代表作を挙げます：

• - 『吟醸酒：全国市販吟醸酒カタログ』（1984年、鎌倉書房）
• - 『幻の日本酒を求めて』（1986年、大陸書房）
• - 『日本の酒づくり：吟醸古酒の登場』（1987年、中央公論社）
• - 『吟醸酒誕生：頂点に挑んだ男たち』（1992年、実業之日本社）
• - 『吟醸酒の来た道：至高の味わいを生んだ究極の技』（1995年、実業之日本社）
• - 『日本酒ことば入門』（2008年、無明舎出版）

篠田次郎は、建築と日本酒文化のその両方において際立った貢献を果たした偉大な人物であり、その影響は今でも多くの人々に認知されています。彼の活動を追慕し、彼が残した作品を通じて、酒の真髄に触れてみることは、私たちにとって非常に意義深いことです。

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