簱興行

簱興行株式会社：日本の映画史を彩る老舗企業の軌跡

簱興行株式会社は、1928年1月に創業した日本の老舗映画興行会社です。当初は東京および近郊に複数の映画館を運営していましたが、第二次世界大戦による戦災で多くの館を閉鎖せざるを得なくなりました。しかし、戦後の復興期に事業を拡大し、ボウリング場経営など総合レジャー産業にも進出するなど、多角的な事業展開を図りました。近年は事業を再構築し、現在ではシネスイッチ銀座1・2と本八幡ハタボウルの運営に集中しています。

戦前・戦中期の活躍：

1928年の創業以来、簱興行は東京とその周辺地域で着実に映画館を増加させていきました。記録に残る最初の映画館は、現在の東京都江戸川区平井にあった「平井館」です。その後、品川区五反田に「五反田劇場」、豊島区池袋に「池袋日勝映画館」などを次々に開業。1941年までに東京、横浜、市川市で10館もの映画館を所有するまでに成長しました。しかし、第二次世界大戦の勃発と東京大空襲により、多くの映画館が被災し、閉館を余儀なくされました。

戦後復興と多角化：

終戦後、簱興行は被災した映画館の復興に尽力しました。池袋の日勝映画劇場や五反田劇場を再開し、市川映画館を本八幡駅前に移転して「八幡映画劇場」として再スタートさせました。1955年には、銀座に「銀座簱ビル」を竣工、地下に「銀座文化劇場」（現在のシネスイッチ銀座1）を開設しました。この頃より、映画館経営に加え、ボウリング場経営を中心とした総合レジャー産業への進出を開始。1963年には板橋区に「ハタ・スポーツプラザ」を開設し、さらに1970年には大宮にも同様の施設を開業しています。

再構築と新たな展開：

1987年には、「銀座文化劇場」を「シネスイッチ銀座」としてリニューアル。その後も既存の映画館を整理統合しながら、新たな施設を展開しました。1990年代後半には、池袋にあった複数の映画館を閉館、一方で、箱根にルネ・ラリックのコレクションを展示する「箱根ラリック美術館」を開設するなど、事業ポートフォリオの多様化を図りました。2011年には「ハタ・スポーツプラザ」を閉館し、現在はシネスイッチ銀座と本八幡ハタボウルの運営に事業を集中させています。

関連会社：

簱興行は、不動産賃貸やボウリング場経営を行う関連会社を複数抱えています。主な関連会社には、簱保全株式会社、ハタレジャースポーツ株式会社、株式会社ル・ミューゼハタなどがあり、それぞれ不動産管理、ボウリング場経営、箱根ラリック美術館の運営などを担っています。

簱興行の現在：

現在、簱興行は、東京都中央区銀座に本社を置き、シネスイッチ銀座1・2と本八幡ハタボウルの運営を主な事業としています。長い歴史の中で培ってきたノウハウと経験を活かし、今後も映画文化の発展に貢献していくことでしょう。

参考文献

本文中に記載されている参考文献に加え、以下のような資料も参照することで、簱興行の歴史をより深く理解することができます。

各地の市町村史
映画関連の専門誌や書籍
簱興行株式会社の社史（もし存在するならば）
当時の新聞記事や写真など

これらの資料を総合的に調査することで、簱興行株式会社のより詳細な歴史像を描き出すことが可能になります。

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