簾舞

簾舞（みすまい）

簾舞は、北海道札幌市南区に位置する地名です。札幌市中心部から定山渓温泉へと続く国道230号線沿いに広がり、豊かな自然に恵まれた地域として知られています。

語源と地名の由来

地名の語源は、アイヌ語の「ニセイ・オマㇷ゚」（渓谷にある川）に由来します。この言葉が訛って「ミソマップ」と呼ばれるようになり、後に「簾舞」という漢字が当てられました。

「簾」という漢字を「みす」と読ませる由来は、明治時代に豊平川の支流の滝が御簾（みす）のように見えたからという説が有力です。札幌市内の地名としては珍しい難読地名の一つとなっています。

地域中央部を南北に走る丘陵は「二星岱（ニセイダイ）」と呼ばれています。これは「ニセイオマップ」の前半部分が地名に採用されたものです。同一の語源を持ちながら、命名された時代が異なるため、関連性を理解しにくい状況になっています。

歴史

1871年（明治4年）に本願寺道路が開削された際、この地域は無人でした。翌年、開拓使は休憩所と宿泊所を兼ねた簾舞通行屋を設け、黒岩清五郎を管理人に任命しました。

1884年（明治17年）に札幌農学校の第4農場が開設されて以来、農業が盛んになり、特に果樹栽培が発展しました。果樹園は1892年（明治25年）頃から始まり、リンゴやイチゴなどの農産物が札幌市へと供給されました。

かつては定山渓鉄道線が1969年まで運行しており、地域内には簾舞駅と東簾舞停留所がありました。

簾舞の現在

簾舞は、現在も札幌市近郊の農産物供給地としての役割を担っています。国道沿いには果樹園が点在し、観光客向けの果物狩りなども行われています。また、豊かな自然環境を活かした観光スポットも存在し、多くの人々が訪れています。

参考文献

「第2章 さっぽろの町名 - 南区」、『札幌地名考』さっぽろ文庫1

外部リンク

札幌市南区

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