米国在台湾協会

米国在台湾協会（AIT）とは

米国在台湾協会（American Institute in Taiwan, AIT）は、1979年に米国が中華人民共和国と国交を樹立し、中華民国（台湾）との国交を断絶した後に、台湾との実務関係を維持するために設立された非営利団体です。しかし、その実質的な役割は米国大使館に相当し、台湾における米国の利益を代表しています。

設立の背景と法的根拠

AITは、ジミー・カーター大統領の「台湾人民との関係に関する覚書」に基づき、コロンビア特別区の非営利法人法に基づいて設立されました。その後、米国議会で成立した台湾関係法によって、米国国内法に対する優位性などの特別な法的地位が付与され、AITの活動を支える法的基盤となっています。

組織と機能

AITは、台北事務所と高雄支所を擁しています。台北事務所長は、大使と同様の地位と外交特権を享受し、事実上の駐台湾米国大使として活動しています。事務所内には政治部が設置され、政治的な情報収集や分析を行っています。高雄支所長は、事実上の駐高雄米国総領事として、南台湾地域（高雄市、台南市、嘉義市、屏東県、台東県、澎湖県）を担当しています。

また、台北市内にはアメリカ文化センターや農業貿易事務所などの関連施設があり、国務省職員ら総勢450名のスタッフが勤務しています。さらに、2005年からは、AIT台北事務所の傘下で米軍が現職軍人を派遣し、「連絡部」や「安保協力部」の部長を務めており、台湾との安全保障面での協力も担っています。

ワシントンD.C.近郊のアーリントンにはワシントン本部が設置されており、台湾側の駐米国台北経済文化代表処（TECRO）と米国政府機関との連絡機能を持っています。理事長は「chairman（主席）」と呼ばれ、AIT全体の運営を統括しています。

台湾との関係

AITは、米国と台湾の間の経済、文化、人的交流を促進する重要な役割を果たしています。形式的には非政府機関でありながら、事実上、米国政府の出先機関として機能し、台湾との外交関係を維持・発展させています。台湾における米国権益の保護、米国政府の政策実行、台湾との相互理解促進に貢献しています。

交通アクセス

台北事務所へは、台北捷運文山内湖線 内湖駅出口より徒歩7分です。

参考文献

* 米国在台湾協会（American Institute in Taiwan）公式サイト

まとめ

米国在台湾協会は、米国の対台湾政策において極めて重要な役割を担う機関です。その活動は、台湾海峡の平和と安定、そして米国の国益に大きく影響を与えています。

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