米山寅太郎

米山寅太郎の生涯

米山寅太郎（よねやま とらたろう、1914年2月5日 - 2007年4月19日）は、漢字学の分野において多大な業績を残した日本の学者です。長野県で生まれた米山は、東京文理科大学を卒業後、そのまま同大学で助手として教鞭を執りました。彼の研究は、日本における漢字や漢語の理解を深めることに寄与しました。

大漢和辞典とその影響

1949年には、著名な漢字学者である諸橋轍次が編纂した『大漢和辞典』の用例を充実させるために、重責を担うこととなります。この辞典は、日本の漢字学における基礎的な資料の一つとされ、彼の専門的な知識が生かされました。米山は1960年にその編纂作業が完了した後も、1966年からは修訂作業に入ります。20年間にわたる努力の結果、1986年に完成を見ました。この辞典は、日本語における漢字の利用や意味についての理解を促進し、学問の発展に寄与しました。

受章とその他の役職

このような尽力が評価され、1986年には勲三等瑞宝章を受章しました。また、彼は静嘉堂文庫の長や静嘉堂文庫美術館の館長も歴任し、文化的な活動にも貢献しました。これにより、彼は文化の振興にも寄与する存在となりました。

主要な著作

米山寅太郎は、その研究成果を著書や共編著の形で多くの形で残しています。特に、2005年に出版された『図説中国印刷史』は、漢字の発展に関する重要な資料とされています。また、彼は『新漢和辞典』（共著、1963年）や『漢文名言辞典』（1995年）など、数多くの辞典類の編纂に携わり、漢字や漢詩、成語の知識を広めることに貢献しました。

共編著の中には、『漢詩名句辞典』（1980年）、『故事成語名言大辞典』（1988年）、『大漢語林』（1992年）、『大修館漢語新辞典』（2001年）など、漢字学の研究に欠かせない重要な作品が数多くあります。これらは後の世代に大きな影響を与え、現在も多くの学者や学生に利用されています。

最後の日々

米山は、2007年4月19日に呼吸不全のために83歳でこの世を去りました。彼の死は多くの人々に惜しまれ、彼が残した業績は今でも日本の漢字学において重要な遺産として受け継がれています。彼の名は、漢字学の先駆者として永遠に記憶され続けることでしょう。

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