米比戦争

米比戦争の概要

米比戦争（1899年2月〜1902年7月）は、アメリカ合衆国とフィリピンとの間で繰り広げられた戦争です。この戦争は、フィリピンがスペインからの独立を目指していた時期に発生しました。1898年の米西戦争を経て、アメリカはフィリピン人の独立を支援する意向を保持していたものの、実際にはフィリピンを植民地として併合する決定を下しました。アメリカとフィリピンとの関係は高度に緊張することになり、フィリピン人が独立を祝った直後に戦闘が始まりました。

戦争の背景

1896年、フィリピン人たちはスペインからの独立を求めて立ち上がり、カティプナンを中心に戦闘を開始しました。1898年5月には、アメリカとスペインの間で起こったマニラ湾海戦において、アメリカが勝利を収めます。この勝利を背景に、アメリカはフィリピン独立運動の指導者であるエミリオ・アギナルドに支持を表明し、独立を誓い約束しました。ところが、実際にはアメリカ合衆国はフィリピンを併合し、独立を志向したアギナルド率いる軍を排除する動きに出ます。

マロロス議会の設立

1898年6月12日にはフィリピン全土で独立が宣言され、アギナルドは1899年1月1日に初代大統領に就任しました。9月にはマロロスにおいて議会を開設し、正式な政府を構築しようと試みました。しかしアメリカはこれを容認せず、フィリピンを植民地化し、軍事的に支配下に置く政策を採用しました。

戦争の勃発と経過

1899年2月4日、アメリカ兵によりフィリピン人兵士が射殺される事件が起き、この事件が火種となり戦闘が始まりました。アメリカはフィリピン側の権利を認めず、正式な開戦通告を行わなかったため、戦争は反乱とみなされました。その後、アメリカ軍はマニラを奪取し、フィリピン軍を北部へ追いやりました。

アメリカは次第に軍を増強し、アーサー・マッカーサー・ジュニアといった指導者がフィリピンの支配を強化しました。フィリピン側では優秀な指揮官が失われ、ゲリラ戦の戦術に移行せざるを得なくなりました。1910年代にかけて、アメリカの軍事行動は激化し、数々の虐殺事件が発生しました。

結果と影響

1902年7月には正式に戦争が終了し、アメリカはフィリピンに傀儡政権を設立します。戦争の影響により、フィリピンには多大な人的被害が及び、民間人の犠牲者数は推定で20万人から150万人にも達するとされています。1946年にフィリピンは正式に独立を果たし、アメリカとの関係は複雑なものとなりました。この戦争をもとにフィリピンとアメリカの歴史が形成され、長い間両国の国民感情にも影響を及ぼしました。

次なる世代へと受け継がれる歴史的記憶は、双方の国にとって重要な教訓とされています。

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