米津駅 (三重県)

米津駅の歴史と現況

概要

米津駅（よねづえき）は、三重県津市にかつて存在した近畿日本鉄道伊勢線の廃駅である。この駅は1929年に開業され、実業家熊沢一衛の進めた伊勢電気鉄道の拡張に伴い設けられた中間駅の一つであった。米津駅は、旧安濃郡藤水村に位置し、結城神社前駅と雲出駅の間にあった。

駅があった地域は、春から夏にかけて「たて干し」として知られる潮干狩りが行われる場所に近い。この「たて干し」という行事は、江戸時代初期から始まったとされ、地元ではこの行事を特に「たてぼし」と呼んでいた。江戸時代の津藩主、藤堂高次によって浜遊びとして始まったという伝承もあり、地域の文化に深く根付いている。

沿革

米津駅は、1930年4月1日に津新地駅と新松阪駅間の開業とともに開設された。その後、1936年9月には参宮急行電鉄に合併され、さらには1941年3月に大阪電気軌道と合併して関西急行鉄道となった。1944年には南海鉄道と合併し、近畿日本鉄道が誕生するなど、駅を取り巻く環境は変化を遂げていった。

しかし、米津駅はその運命を1961年1月22日に迎えた。伊勢線の廃止に伴い、米津駅も閉駅となり、地元の住人にとっては大きな出来事であったと言える。

現況

現在、米津駅の跡地は津市藤方にあり、周囲には電装会社や耳鼻咽喉科が立ち並ぶ。近鉄道路から津競艇場に向かう交差点の北側に位置しており、駅の跡地は片側1車線の近鉄道路の路肩が不自然に広くなっていることが確認できる。このように、米津駅の存在があった当時の面影は徐々に薄れつつあるが、地域の人々にとっては記憶として残り続けている。

隣の駅

米津駅の隣には、結城神社前駅と雲出駅が存在していた。これらの駅とともに、米津駅は伊勢線の重要な中間地点として機能していたことを思い起こさせる。

まとめ

米津駅は、歴史的にも地域文化の一部としての役割を果たしていた駅であった。今は廃駅となり、当時の面影を探すのは難しいが、地域の行事や文化は今も多くの人々に受け継がれている。米津駅の存在は、伊勢線を通じて地域の発展に寄与し、多くの思い出と共に記憶に残り続けるだろう。

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