米谷隆三

米谷 隆三 (まいたに りゅうぞう) の生涯と業績

米谷隆三は、1899年2月11日に岡山県都窪郡茶屋町（現倉敷市茶屋町）で生まれ、1958年5月3日に逝去した日本の著名な法学者です。彼の専門分野は商法と保険学であり、1955年には「約款法の理論」で日本学士院賞を受賞しました。

学歴と初期のキャリア

米谷は旧制第一岡山中学校（現在の岡山県立岡山朝日高等学校）を卒業後、1925年に東京商科大学（現一橋大学）を卒業しました。大学では青山衆司ゼミナールで学びました。その後、1923年に文官高等試験の行政科に合格し、商工省に入省。商務局保険課での勤務を経て、1929年には明治大学で兼任講師（火災保険論）として教壇に立ちました。

1930年からは東京商科大学の助教授兼予科教授に就任し、その後の学術的な活動の基盤が築かれました。また、ベルリン、ローマ、パリへの留学を経て、1934年には第10回国際アクチュアリー会議で日本代表として参加しました。

教職と教職追放

1935年、米谷は東京商科大学の教授に就任しましたが、1947年には教職追放令により、同大学を免職となります。この時期、彼は九州帝国大学法文学部で保険法講座の嘱託や、学術会議の研究員、大蔵省および逓信院の事務取扱嘱託としても活動していました。

企業法研究所の設立と申請活動

免職後の1947年には企業法研究所を開設し、所長に就任。弁護士として登録し、専門的な知識を持つ活発な弁護士としても活動を開始しました。1950年には立命館大学から法学博士を授与され、博士号の審査には末川博を含む著名な法学者たちが関与しました。

1952年からは成蹊大学で教授として教壇に立ち、その後も研究と教育に献身しました。1954年には第14回国際アクチュアリー会議の日本代表として活躍し、1956年には農林省の漁船再保険審議会の委員として活動しました。1958年には損害保険協会の経営合理化委員にも任命され、法学者としてだけでなく、実務との関わりも深めていきました。

最期と影響

米谷は1958年に東京女子医科大学付属病院で逝去しました。彼の死に際しては、ドイツの保険専門誌『Versicherungswirtschaft』の1958年6月1日号に、お世辞にも追悼記事が掲載され、その功績が広く知られることとなりました。また、米谷ゼミナールの出身者には一橋大学の名誉教授である喜多了祐や、元国立科学博物館長の杉江清など、後の優れた学者たちが名を連ねています。

参考文献

米谷隆三の業績として、彼が著した「約款法の理論」については、1955年11月発行の『法律のひろば』第8巻第11号において特集されています。

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