粕川町中

粕川町中（かすかわまちなか）

群馬県前橋市に属する地名であり、その読み方は「かすかわまちなか」です。かつて勢多郡粕川村に属していた時代には、「勢多郡粕川村大字中」として知られていた地域にあたります。前橋市との合併後、村名の「粕川村」が町名の「粕川町」となり、その後ろに大字名が続く形式で「前橋市粕川町○○」という表記に変更されました。2013年現在の面積は約0.69平方キロメートルです。郵便番号は371-0205が割り当てられています。

地理

地理的には、前橋市の東部に位置しています。雄大な赤城山の南側斜面に広がる地域の一部であり、特に粕川の流れる流域の東部にあたります。

歴史

この地名は、江戸時代頃にはすでに存在していたことが確認されています。その歴史を通じて、いくつかの領有者の変遷を経てきました。当初は大胡藩の領地でしたが、元和4年（1618年）には前橋藩の領地となりました。その後、明和4年（1767年）には天領、すなわち江戸幕府の直轄領となり、さらに安永8年（1779年）からは出羽松山藩の領地として支配されていました。

沿革

近代に入ると、行政区画の再編が行われました。1889年（明治22年）に市町村制が施行された際、近隣の14の村が合併し、新たに群馬県南勢多郡粕川村が誕生しました。このとき、「中」の地域はその大字の一つ、「群馬県南勢多郡粕川村大字中」となりました。続く1896年（明治29年）には、東群馬郡と南勢多郡が統合される郡統合が実施され、この地域は勢多郡に所属することになり、「勢多郡粕川村大字中」と名称が変更されました。そして、2004年（平成16年）に実施された「平成の大合併」において、粕川村は宮城村、大胡町と共に前橋市に編入されました。これにより、現在の「群馬県前橋市粕川町中」という地名となりました。

地名の由来

「中」という地名の由来には諸説ありますが、この地域がかつて存在した月田村と田面村という二つの村のちょうど中央、すなわち「中」間に位置していたことに由来すると考えられています。

交通

交通網としては、地域内に県道や国道は通っていません。鉄道については、近隣に上毛電気鉄道上毛線の膳駅が位置しており、徒歩圏内あるいは自転車でのアクセスが可能です。公共交通機関としては、赤城タクシーが運行するデマンドバス方式の「ふるさとバス」が利用できます。

施設および避難情報

地域内には、古くから信仰を集める阿夫利神社が鎮座しています。
災害時の避難に関しては、もし当町が避難対象区域に指定された場合、近隣に位置する粕川町西田面にある前橋市立粕川中学校が避難場所に指定されています。

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参考文献

* 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 10 群馬県』角川書店、1988年。

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