粟崎遊園

粟崎遊園について

粟崎遊園（あわがさきゆうえん）は、石川県河北郡内灘町にかつて存在した多様なレジャー施設です。1925年の開園以来、広大な敷地で多くのエンターテインメントが提供され、地域の人々に親しまれました。全盛期には、遊園地や動物園、劇場、大浴場、旅館など、様々な施設が揃い、訪れる人々を楽しませていました。

総工費は当初35万円で、現在の価値に換算すると約40億円にもなります。このような巨額の投資は、当時の経済状況を反映しており、遊園は浅野川電気鉄道の社長である平澤嘉太郎の vision に基づいて設立されました。彼は宝塚のエンターテインメントモデルをベースに、乗客の誘致を目指してこの施設をオープンさせました。

施設概要

約6万坪の広大な敷地には、大劇場（最大1,000人収容）、会議室や大広間、大浴場、動物園、洋食堂、旅館、野球場、スキー場、さらには「こどもの国」など、多岐にわたる施設が設けられました。また、特に「大山すべり」と名付けられた70メートルを超える滑り台は大人の来場者にも人気を集めていました。

歴史年表

粟崎遊園の歴史は、1925年7月19日の開園から始まります。その後、1928年には新国劇の俳優を迎えて「粟ヶ崎大衆座」を立ち上げ、同年内に少女歌劇団も結成されました。1月7日には余興場で火災が発生し、本館を残してほとんどの建物が全焼しましたが、4月には復興を果たしました。1932年には大衆座の座長が急逝し、その影響で同年6月に平澤嘉太郎が亡くなります。その後は浅野川電気鉄道の専務に運営が引き継がれました。

1933年頃には、/藤井とほる一座/が替わりに出演し、さまざまな芸能活動が行われましたが、同年10月には競売にかけられ、最終的に浅野川電気鉄道が直営する形で運営が続けられました。1937年には「粟崎遊園歌劇学校」が設立されたこともありましたが、1941年8月31日には休園を迎えました。1944年3月には正式に閉鎖され、その跡地は軍の仮兵舎や工場に利用されることとなりました。

現在の状況

閉鎖された粟崎遊園の本館正面にあったアーチ型のゲートは、現在砂の館と呼ばれる施設の横に移築されており、今でも見ることができます。このように粟崎遊園は、歴史の中で多くの人々に記憶され、地域のエンターテインメントの象徴としてその名を残しています。遊園が存在していた当時の雰囲気や文化を伝える貴重な施設として、今後も多くの人々に語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索