粟嶋神社 (宇土市)

粟嶋神社（あわしまじんじゃ）

粟嶋神社は、熊本県宇土市新開町に鎮座する神社です。地元の人々からはもちろん、遠方からも参拝者が訪れる、歴史と信仰の厚い場所として知られています。

祭神

御祭神は、医薬の神、知恵の神として知られる少彦名命（すくなひこなのみこと）。粟嶋大明神とも呼ばれ、特に女性の健康や安産にご利益があるとされています。

沿革

神社の創建は江戸時代初期の寛永10年（1633年）に遡ります。伝えられるところによれば、ある時、一組の老夫婦の家に旅の僧侶が訪れ、一夜の宿を借りました。その夜、妻の夢に粟嶋大明神が現れ、翌朝僧侶が去った後、不思議なことに部屋には神像が残されていたといいます。この神像を粟嶋大明神として祀ったのが神社の起源とされています。

その後、文化12年（1815年）に社殿が建立され、昭和24年（1949年）に再建されました。長きにわたり、地域の人々の心の拠り所として大切に守られてきました。

祭祀

例祭は毎年3月3日に行われます。この日は、多くの参拝者が訪れ、無病息災を祈願します。

ミニ鳥居（腰延べ鳥居）

粟嶋神社の境内には、一風変わった「ミニ鳥居」（腰延べ鳥居）があります。文化11年（1814年）に作られたと伝えられるこの鳥居は、一辺が約30cm四方という小さなもの。このミニ鳥居をくぐると、婦人病をはじめとする様々な病が平癒すると言い伝えられています。大祭の日には、無病息災を願ってミニ鳥居をくぐる人々で大変賑わいます。

アクセス

鉄道

JR九州三角線：「緑川駅」より徒歩約10分

自家用車

九州道：「松橋IC」より車で約20分。駐車場あり

参考文献

鈴木喬『熊本の神社と寺院』熊本日日新聞社、1980年、86-87頁
熊本日日新聞編纂・発行『熊本県大百科事典』、1982年、41頁
日本歴史地名大系44『熊本県の地名』平凡社、1985年
角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典43 熊本県』角川書店、1987年、118頁

外部リンク

* 粟嶋神社（神社公式）

粟嶋神社は、その神秘的な創建の由来と、ミニ鳥居の存在によって、訪れる人々に癒しと希望を与え続けています。宇土市を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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