三角線

概要



三角線は、熊本県宇土市の宇土駅から宇城市の三角駅を結ぶ、九州旅客鉄道(JR九州)の地方交通線です。2011年9月1日からは、「あまくさみすみ線」という愛称で親しまれています。

この路線は、宇土駅で鹿児島本線から分岐し、宇土半島の北岸を走り、赤瀬から波多浦で半島を横断。天草諸島大矢野島に面した三角町へと至ります。三角港はかつて天草各地への船やバスが発着する交通の要所でしたが、現在はカーフェリーは廃止されています。

全列車が鹿児島本線を経由して熊本駅まで直通運転しており、地域住民の生活路線としてだけでなく、観光路線としての役割も担っています。ただし、全線でICカード「SUGOCA」は利用できません。また、リアルタイム列車位置情報システム「どれどれ」は、閉塞方式の都合で全線非対応ですが、熊本 - 宇土間は「鹿児島本線」のページから利用可能です。

路線データ



管轄: 九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者
路線距離: 25.6km
軌間: 1067mm
駅数: 9駅(起終点駅を含む。三角線所属駅のみでは8駅)
複線区間: なし(全線単線
電化区間: なし(全線非電化
最高速度: 85km/h
閉塞方式: 特殊自動閉塞式(電子符号照査式)
管轄支社: 熊本支社

利用状況



三角線の利用状況は、平均通過人員と線区別の収支で把握できます。

各年度の平均通過人員(人/日)および旅客運輸収入、収支(営業収益、営業費、営業損益)は資料を参照ください。

運行形態



定期列車は各駅に停車する普通列車のみで、全列車が熊本駅 - 三角駅間で運行されています。運行本数は1時間に1本程度で、住吉駅や網田駅で列車交換が行われます。かつての国鉄時代と比較すると運行本数は増加しており、最終列車の時間も遅くなりました。

使用車両は、主にキハ200形、キハ220形(200番台)、キハ47形(147形)で、基本的には2両編成で運行されています。かつてはキハ31形やキハ40形が使用されていましたが、2019年3月16日に定期運用を終了しました。平日と土曜・休日では、使用する車両や編成が一部異なります。

全ての列車はワンマン運転です。かつては無人駅や営業時間外の有人駅では前乗り前降りでしたが、現在は全駅でホーム側の全てのドアから乗り降りできますが、2007年以降、当路線内では再度後ろ乗り前降りの方式に変更されました。

臨時快速列車として「天草グルメ快速「おこしき」」が運行されていた時期がありましたが、2011年3月12日に廃止。その後、2011年10月8日からは、観光特急「A列車で行こう」が土日祝日を中心に運行を開始しました。これは当線初の特急列車であり、熊本駅、宇土駅、三角駅に停車します。当初は1日2往復でしたが、2013年3月16日より1日3往復に増発されました。

国鉄時代には、豊肥本線直通の急行「火の山」が運行され、雲仙や天草と別府や阿蘇を結ぶ観光ルートとして活用されていましたが、マイカーの普及や海外旅行の人気上昇により利用者が減少し、1986年1[[1月1日]]に廃止されました。

使用車両



三角線で使用される車両は、全て熊本車両センターに所属する気動車です。

キハ185系: 特急「A列車で行こう」で使用。
キハ200形: 普通列車で使用。
キハ220形200番台: キハ200形と共通で運用。
キハ220形1100番台: キハ200形の検査時等の代走で使用。
キハ47形・キハ147形: 主に代走として入線。



歴史



三角線の開業は1899年と古く、九州鉄道が天草や島原への船便と連絡するために建設しました。当初は宇土半島の南岸を通るルートが計画されましたが、住民の反対により北岸を通るルートに変更されました。

三角港はかつて天草への玄関口でしたが、熊本新港や天草飛行場の開港、天草五橋の完成、モータリゼーションなどの影響で、利用者は減少しました。

主な出来事



1899年12月25日九州鉄道が宇土 - 三角間を開業。
1907年7月1日:鉄道国有法により官設鉄道となる。
1909年10月12日:国有鉄道線路名称設定により、宇土 - 三角間が三角線となる。
1927年9月13日有明海台風による高潮で一部区間が不通。
1963年3月25日:準急「火の山」が運転開始。
1966年3月5日:準急「火の山」が急行に格上げ。
1982年11月15日:全線の貨物営業を廃止。
1986年1[[1月1日]]:急行「火の山」の熊本 - 三角間が廃止。
1987年4月1日:国鉄分割民営化によりJR九州が承継。
2004年3月13日:「天草グルメ快速「おこしき」」運行開始。
2011年3月12日:「天草グルメ快速「おこしき」」廃止。
2011年10月8日:臨時特急「A列車で行こう」運行開始。



駅一覧



便宜上、宇土側の全列車が直通する鹿児島本線熊本駅からの区間を記載しています。

熊本駅
川尻駅
宇土駅
緑川駅
住吉駅
肥後長浜駅
網田駅
赤瀬駅
波多浦駅
三角駅

定期列車は全駅停車します。

詳細な駅の情報や、過去に運行されていた臨時快速の停車駅については、上記を参照してください。





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