糸井大塚古墳

糸井大塚古墳について

糸井大塚古墳は、広島県三次市糸井町に位置する古墳であり、糸井塚ノ本古墳群の一部を成す大型の帆立貝形古墳です。この古墳は、広島県指定の史跡としても知られています。

概要

古墳は三次盆地の南端、美波羅川の河岸段丘の上に築かれ、おそらく古墳時代中期の5世紀前半に造られたと考えられています。この地域には、糸井大塚古墳を含む8基の古墳が点在しており、古墳群を形成しています。

糸井大塚古墳の形状は、帆立貝のような独特な形状の前方後円墳で、特に方形部は南東に向けられています。墳丘の全長は約100メートル以上に達し、広島県内の帆立貝形古墳の中でも最大級のものとなっています。具体的なサイズは、墳丘長が65メートル、円丘部（後円部）は直径56メートル、高さ8〜10メートル、前方部の幅が19〜20メートル、推定高さが3メートルです。

文化財としての重要性

糸井大塚古墳の周囲には幅約30メートルの周溝が巡らされており、周辺には葺石や円筒埴輪、さらには家形埴輪の破片も確認されています。これらの遺物は、古墳時代の文化や埋葬習慣についての重要な手掛かりとなりますが、今のところ正式な発掘調査は行われていません。

この古墳の北部にはかつて存在した2号墳があり、その影響から西側の周溝は狭くなっていますが、全体として古墳の形状は保たれています。

特に重要なのは、同地域では他の古墳との関連が多く指摘されています。他の古墳では、渡来系の石室が認められたり、鉄製の武器や甲冑が出土したりしています。これにより、古墳の被葬者には畿内のヤマト王権や朝鮮半島との結びつきが示唆されています。

指定史跡

糸井大塚古墳は1994年に広島県の指定史跡として認定され、地域の文化遺産として保護されています。地域の教育や観光資源としても大切にされており、訪れる人々に古代の文化や歴史を伝えています。

まとめ

糸井大塚古墳は、広島県北部の貴重な歴史的遺産であり、その規模や形状からも古墳時代の重要な文化を感じることができます。地域の古墳群とともに、今後はさらなる調査が期待されており、さらなる発見が待たれています。

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