糸井駅

糸井駅（いといえき）

北海道苫小牧市日吉町に所在する、北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線の鉄道駅です。駅には「H20」という駅番号が付与されています。

歴史

糸井駅の歴史は、大正時代に遡ります。1917年6月1日には、この地に「小糸魚信号所（こいといしんごうじょ）」として鉄道施設が設けられました。その後、1922年4月1日には名称が「小糸魚信号場」へと改められます。施設は長らく信号場としての役割を担っていましたが、1951年3月10日頃には旅客の取り扱いが開始されたと見られています。そして1956年4月1日、正式な一般駅へと昇格すると同時に「糸井駅」と改称され、旅客だけでなく荷物の取り扱いも始まりました。しかし、時代の流れとともに駅の機能は変化し、1980年5月15日には荷物扱いが廃止され、駅員が配置されない無人駅となりました。国鉄の分割民営化に伴い、1987年4月1日にはJR北海道の運営に移管されます。近年では、2022年3月31日をもって簡易委託による業務が終了し、以降は完全に駅係員のいない無人駅となっています。

駅名の由来

駅名はその所在地である地区名「糸井」に由来しています。この地名は、アイヌ語の「コイトゥイェ」、すなわち「波が崩す」という意味の言葉、あるいは「コイトゥイェイ」という「波が崩す場所」を意味する言葉に由来するとされています。これは、荒天時に波が砂丘を削り取り、水路や湿地へと流れ込む自然現象を描写した表現であると考えられています。開業当初は、この音に「小糸魚（こいとい）」という漢字が当てられ、信号場名として使用されていました。しかし、当地の字名が1944年に「糸井」と改称されたことに伴い、駅が一般駅に昇格した際に駅名も現在の「糸井」へと変更されました。

駅構造

糸井駅は地上に設置された駅で、線路を挟んで向かい合う相対式ホームを2面、2線の線路を備えています。駅構内では、複線の本線がこれらのホームによって挟まれている構造となっています。駅施設のうち、駅舎は南側に位置しており、主要な道路である国道36号に面しています。また、南側の駅舎側と北側を結ぶ連絡設備として跨線橋が設置されており、駅構内を横断できるようになっています。現在は苫小牧駅が管理する無人駅として運営されています。かつて2022年3月末まで簡易委託駅として機能していた頃は、朝6時から夕方4時半まで窓口が開設されており、基本的には駅舎内の窓口で乗車券が販売されていました。特に苫小牧方面へ向かう列車が停車する際には、そのホーム上で乗車券を販売することもありました。駅構内には列車の折り返しに必要な設備がないため、当駅を終着とする列車は、営業運転終了後に隣の錦岡駅まで回送し、そこで折り返しの準備を行うという運用が行われています。

駅周辺

駅の北側出口周辺では、2015年に「苫小牧糸井駅北口・総合開発事業」と称される開発計画に基づき、地域環境の整備が実施されました。

南口（駅舎側）には、以下の施設や交通機関が位置しています。

道南バス「糸井駅前」バス停
豊月本社
国道36号
苫小牧市日吉体育館

北口側には、以下の施設や交通機関があります。

コアシティ・しらかば温泉湯
道南バス「しらかば1丁目」「糸井駅北」バス停

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道） 室蘭本線においては、錦岡駅（駅番号H21）と青葉駅（駅番号H19）の間に位置しています。

錦岡駅 (H21) - 糸井駅 (H20) - 青葉駅 (H19)

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