糸魚川シーサイドバレースキー場

新潟県糸魚川市に位置する糸魚川シーサイドバレースキー場は、例年12月中旬から4月上旬にかけてウィンタースポーツが楽しめる施設です。このスキー場は、その名の通り日本海に面したロケーションが最大の魅力の一つです。

特徴

糸魚川シーサイドバレースキー場には、合計6本の多彩なコースが設けられています。コースの多くは平均傾斜が10度から20度と比較的緩やかなため、スキーやスノーボードが初めての方でも安心して滑走を始めることができます。

地理的には新潟県と長野県の県境近くに位置していますが、糸魚川市街地からアクセスしやすいほか、新潟県内では富山県に最も近いため、富山県からの利用者も多数訪れます。また、長野方面からは国道148号線を利用すれば、比較的短時間で到着できるアクセスの良さも持ち合わせています。

ゲレンデの頂上からは、雄大な日本海の眺望を満喫できます。天気の良い日には、遠く離れた佐渡島まで見渡せることもあり、「海が見えるスキー場」として知られています。さらに、ゲレンデの手前には日本百名山の一つである雨飾山の美しい姿を望むこともできます。

特筆すべきは、ゲレンデに隣接するホテル「ホワイトクリフ」に湧き出る天然温泉です。この温泉は入浴すると肌が滑らかになると評判で、「美人の湯」と呼ばれ、美肌効果が期待されています。宿泊者だけでなく日帰りでも利用可能で、スキーやスノーボードを楽しんだ後に、この温泉で疲れを癒す利用者が多くいます。地元では雨飾温泉と並んで有名な温泉として親しまれています。

全国的な知名度は高くないものの、白馬・富山・上越方面からのアクセスの良さ、そして何よりもゲレンデが混雑しないことから、一部のスキーヤーやスノーボーダーの間では「穴場」として知られています。混雑していないため、リフト待ちの時間がほとんどなく、広々としたゲレンデでのびのびと滑走を楽しめる点が大きな魅力です。

コース

コースは大きく二つのエリアに分かれています。第1、第2、第3ゲレンデ、明星尾根コースは初級者から中級者向け、そして第5、第6ゲレンデは中級者から上級者向けとなっています。エリア間の移動は、山頂付近に設けられた迂回路を利用します。また、クロスカントリーコースも整備されています。

特に第1ゲレンデは、初心者コースとしては非常に長く、他のコースと連結することで最長3kmにもなるロングランを楽しむことができます。

人が多くないため、リフトに並ぶ煩わしさがなく、ゲレンデ全体を自由に使って滑走できるため、練習やレッスンを受けるのにも最適な環境です。

以下に主要なコース情報をまとめます。

第1ゲレンデ: 滑走距離 1,600m、平均傾斜 15°
第2ゲレンデ: 滑走距離 900m、平均傾斜 20°。スタート地点は最大38°の急斜面ですが、初心者向けの迂回路（約300mの短い林間コース）も用意されています。スノーボーダーに人気のボードパークや、深雪・未圧雪エリアもあります。
第3ゲレンデ: 滑走距離 1,200m、平均傾斜 21°
第5ゲレンデ: 滑走距離 750m、平均傾斜 16°
第6ゲレンデ: 滑走距離 800m、平均傾斜 20°
明星尾根コース: 滑走距離 950m、平均傾斜 16°
第3林間コース: 滑走距離 1,700m、平均傾斜 15°
第5林間コース: 滑走距離 900m、平均傾斜 12°
第6林間コース: 滑走距離 900m、平均傾斜 12°

施設

スキー場内には、食事を楽しめるレストランが複数あります。「リブラ」（200名収容、第2ゲレンデ横）、「アリエル」（100名収容、第5・第6ゲレンデ中間）、「マリンブルー」（120名収容、センターハウス前）が営業しています。レンタルショップはセンターハウス前とホテル内にあります。宿泊施設としては、ゲレンデに隣接してホテルホワイトクリフ（120名収容）があります。スキー技術を学びたい方向けには、「糸魚川スキー学校」と「オーストリアスキー教室（NAISG）」が開講されています。リフトはクワッド（4人乗り）1本とペア4本が運行しています。駐車場は1,000台収容可能で無料です。

歴史

糸魚川シーサイドバレースキー場は、1970年の建設計画発表から始まり、地域の観光開発拠点として整備が進められました。建設工事は1974年に着手され、1980年 12月20日に開業しました。開業当初はリフト5本、コース4本で、現在の第5・第6ゲレンデはまだありませんでした。1982年12月8日にはホテルホワイトクリフも営業を開始しました。

開業当初は地域内でも数少ないスキー場として賑わいましたが、周辺地域に新たなスキー場が開業すると次第に集客力が低下しました。1983年には親会社の倒産の影響で経営危機に陥り、地元の債権者らが「債権保全管理委員会」を結成して運営を継続。その後、経営主体は五味観光開発（株）、シーサイドプランテーション（株）へと移管されました。1993年には親会社の村本建設（株）が倒産するなど困難がありましたが、関係者の尽力により運営は続けられました。

1997年5月、親会社の村松建設（株）（ママ、村本建設の誤記か？）がスキー場運営から撤退を決定し、同時期に隣接する能生町（当時）でシャルマン火打スキー場の開業が決定したことから、スキー場の閉鎖が検討され始めました。1997-1998シーズンはシーサイドプランテーション（株）が一時的に運営を担いましたが、1998年4月をもって一時閉鎖となりました。しかし、1998年シーズン以降の存続のため、土地・建物を糸魚川市が所有し、新設された株式会社糸魚川シーサイドバレーが使用賃借契約を結ぶ形で再開されました。その後も集客努力は続けられ、2005年にはホテルホワイトクリフに日帰り入浴施設「塩の道温泉」をオープン。2007年には地域の活性化計画の一環として「塩の道交流館ボッカ茶屋」が開設されました。

交通アクセス

公共交通: JR糸魚川駅日本海口から糸魚川バス「05 根知線」（別所方面行き）に乗車し、約50分。「シーサイドバレースキー場前」バス停下車後すぐです。
* 車: 北陸自動車道糸魚川ICから約20分です。

周辺情報

近隣には塩の道資料館などがあります。

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