糸魚川淳二

糸魚川淳二：古生物学・地質学の先駆者

糸魚川淳二（いといがわ じゅんじ、1929年8月21日 - 2021年11月11日）は、日本の古生物学者、地質学者として多大な貢献をしました。名古屋大学名誉教授、元豊橋市自然史博物館館長という要職を歴任し、数多くの研究者を育成しました。理学博士の学位を持ち、日本の地質学・古生物学の発展に大きく寄与した人物です。

生涯

糸魚川淳二は、1929年8月21日に岐阜県恵那郡坂下町（現在の中津川市）に生まれました。恵那中学（現在の岐阜県立恵那高等学校）を経て、海軍経理学校予科に入校。終戦後、恵那中学に復学し、旧制第四高等学校理科甲類に進学しました。1949年3月に卒業後、京都大学理学部に入学し、専門的な研究の道を歩み始めます。1957年には京都大学大学院を退学し、同年8月に名古屋大学理学部に採用され、研究者としてのキャリアをスタートさせました。

1958年2月には助手、1971年4月には助教授、そして1986年4月には教授へと昇進し、1993年3月に名古屋大学を定年退官。その後、同大学の名誉教授に推挙されました。定年後も研究活動は衰えず、1995年4月から2000年3月まで椙山女学園大学文学部（現在の国際コミュニケーション学部）教授、2001年4月から2005年3月まで豊橋市自然史博物館館長を務めるなど、幅広い分野で活躍しました。

業績

糸魚川淳二の業績として特筆されるのは、1971年の中央自動車道瑞浪インターチェンジ建設工事に伴う化石調査への参加です。この際に出土した化石の整理に尽力し、1974年の瑞浪市化石博物館の開館を主導しました。この博物館は、地域における化石研究の拠点として重要な役割を果たしています。

人物

1959年に登美子夫人と結婚。自宅は私立半原版画館となっています。1998年には胃癌を患いましたが、見事に克服しました。2021年8月までは精力的に調査活動を続けていましたが、同年11月11日に病気のため逝去されました。

参考文献

* 柄沢宏明、2022、「糸魚川　淳二 （1929年8月21日–2021年11月11日）地質古生物と博物館と　二足の草鞋を履いた自然科学者 (PDF) 」 、『瑞浪市化石博物館研究報告』49巻1号

糸魚川淳二は、日本の古生物学・地質学の発展に大きく貢献しただけでなく、博物館活動を通じて地域社会への貢献も果たしました。彼の研究に対する情熱と、後進の育成に尽力した姿勢は、多くの人々に感銘を与え続けています。

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