紀あさ

紀あさ（きの あさ）は、日本の手回しオルガン奏者、大道芸人、そして写真作家として、多岐にわたる才能を発揮しているアーティストです。

人物

東京綜合写真専門学校で写真を学んだ後、手回しオルガン奏者としての活動を始めました。函館を拠点に、手回しオルガン職人である谷目基とともに、紙芝居付きの手回しオルガンを製作しました。2012年には、「てまわしオルガンKINO」としてハコダテ・トリエンナーレで初披露され、オリジナルの手回しオルガンによる演奏活動を精力的に行っています。

函館で生まれた音を届ける役割を担い、2013年からは函館市の観光大使も務めています。音楽、人形劇、日常的なイベント、アートシーンなど、幅広い分野で活躍しており、その活動は、はこだて国際民族芸術祭、仙川人形演劇祭、東京蚤の市、二子玉川ビエンナーレなど多岐にわたります。

大道芸人としては、手回しオルガンの演奏に加え、2016年の新宿公演から、函館出身で日本最高齢の大道芸人と言われたギリヤーク尼ヶ崎の黒子を務めています。これは、紀あさの活動における重要な側面であり、大道芸への深い敬意と関わりを示しています。

写真作家としては、ニコンサロンでの写真展開催や、オーストラリアでの海外展示など、国内外でその作品が評価されています。2016年には、北海道新幹線の開業に合わせて開催された文化イベント「はこだて十人十色トレインナーレ」の企画にも関わりました。また、2019年には、はこだてトリエンナーレ「みなみ北海道を旅する芸術祭」でアーティスト兼コーディネーターを務め、同年、国土交通省から日本鉄道省・特別賞を受賞しました。さらに、2023年のはこだてトリエンナーレでは、アーティスト兼キュレーターとして、その才能を遺憾なく発揮しました。

著書など

紀あさは、著書も手がけており、以下の作品があります。

伝説の大道芸人 ギリヤーク尼ヶ崎への手紙 大道芸と祈りの踊り（日進堂、2015年）ISBN 978-4-9908341-0-4
ギリヤーク尼ヶ崎 「鬼の踊り」から「祈りの踊り」へ（北海道新聞社、2016年）ISBN 978-4-89453-836-8（共著:ギリヤーク尼ヶ崎・植村佳弘・南達雄・鈴木清・紀あさ）

さらに、2021年公開の映画「ギリヤーク尼ヶ崎 魂の踊り」（監督・主演:ギリヤーク尼ヶ崎）では、出演と制作を担当しました。この作品は、門真国際映画祭2021でドキュメンタリー部門・優秀作品賞、ダンス部門・特別賞、最優秀ケータリング賞という、同映画祭史上初の3賞同時受賞を達成しました。この事実は、彼女の多才さと作品の質の高さを証明しています。

紀あさの活動は、音楽、大道芸、写真という異なるジャンルを横断しながらも、それぞれの表現に独自の視点と深い洞察を反映しています。彼女の作品は、人々の心に響き、感動を与えるものとして、これからも多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

脚注


関連項目

函館市
手回しオルガン

外部リンク

ハコダテ・トリエンナーレ
てまわしオルガンKINOのオフィシャルページ
みなとまちつうしん
写真家紀あさのオフィシャルページ

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