紀伊大島

紀伊大島について

紀伊大島（きいおおしま）は、和歌山県東牟婁郡串本町の約1.8km沖合に位置する島であり、面積は約9.68 km²です。周囲は28kmと和歌山県下の島の中で最大の大きさを誇ります。この島は、古くから「大島」や「串本大島」と呼ばれ親しまれてきました。

地理

紀伊大島は、潮岬と苗我島に挟まれた東側に浮かぶ形で、本州からは最短で約1.8km、潮岬からは1kmと近くに位置しています。島の西側を除き、海食崖が発達していて、特に樫野埼が大きく突き出しており、その近くには暗礁が散在しています。海岸線は複雑に入り組んでおり、黒潮が潮岬にぶつかって流入するため、豊富な漁場となっています。紀伊大島には主に農業と漁業が併存する集落が点在しており、耕地面積は約100ha、そのうちの60%が畑作に用いられています。

島の北部では地面の侵食が進んでいる一方で、南部には比較的平坦な土地が広がっており、樫野、峰地、須江といった集落があります。

歴史

紀伊大島では、古くから地元の漁師たちが漁業に従事していました。島の中心的な大島港は、江戸時代から江戸と大坂を繋ぐ航路の風待ち港や避難港として栄え、また漁業の基地としても活発でした。特に、捕鯨が盛んだったため、日本水産の捕鯨基地が設けられ、港は賑わいを見せていました。

1869年には樫野埼と潮岬で灯台の建設が始まり、1890年にはエルトゥールル号遭難事件が記憶に残る出来事として知られています。また、串本と大島を結ぶ巡航船は1999年に完成したくしもと大橋によって廃止され、今は観光利用の船が運航されています。

大島村

紀伊大島は1889年に大島村として発足し、1958年に串本町に編入されました。その後、2005年の合併に伴い、再び東牟婁郡の所属となりました。

観光

紀伊大島は、潮岬や橋杭岩などと共に吉野熊野国立公園の一部を形成しています。美しい海と豊かな海産物は釣りやスキューバダイビングを楽しむために多くの観光客を引き寄せています。

くしもと大橋

紀伊大島と潮岬を繋ぐくしもと大橋は、ループ橋とアーチ[[橋]]の2つの部分から成っており、1999年に開通しました。この橋の供用によって、これまでの巡航船やフェリーに頼ることなく本州とのアクセスが向上しました。

裕生寺・水門神社

島の西側には蓮生寺があり、悲しい伝承の遊女お雪の墓が有名です。また、水門神社は近くに位置し、毎年行われる水門祭りでは地域の伝統行事が見られます。

樫野埼

樫野埼には、日米修交を記念した博物館やエルトゥールル号遭難事件を記念する施設があり、日本最古の石造灯台もここにあります。

海金剛

南岸には海金剛の絶景が広がり、一帯は観光スポットとしても人気で、近くの鷹ノ巣展望台から絶景が楽しめます。

文化財

紀伊大島には、トルコ軍艦遭難者墓地や水門祭りなど、地域文化の象徴がいくつか存在します。学校としては串本町立大島小学校があります。また、本州と結ばれる交通面でも、便利な蜜交通が運行されており、観光に訪れる際もアクセスしやすい場所となっています。

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