約束の日 LAST APPEARANCE
日本の
音楽界に大きな足跡を残した
シンガーソングライター、
尾崎豊のライブ映像作品としては通算3作目にあたるのが、本作『約束の日 LAST APPEARANCE』です。
正式名称は『ARTERY & VEIN FILM PART II THE DAY LAST APPEARANCE YUTAKA OZAKI AT YOYOGI OLYMPIC POOL ON OCTOBER 30TH, 1991』という長大なものです。
この映像作品は、まず
1993年11月29日に
ソニー・ミュージックレコーズから
VHSとLDの2つのメディアでリリースされました。その後、未収録だった楽曲などが追加された『約束の日 LAST APPEARANCE 完全版』が、メディアを
DVDとして
2000年7月5日に改めて発表されています。
収録されたライブについて
本作に収められているのは、
1991年10月30日に東京・代々木オリンピックプールで開催されたライブの模様です。この公演は、同年行われた『1991 BIRTH TOUR』に追加された「約束の日 (THE DAY)」と銘打たれたスペシャルステージの最終日でした。この「約束の日」というイベントタイトルは、同時期にリリースされたライブアルバム(『約束の日 Vol.1』、『約束の日 Vol.2』共に
1993年発売)にも冠されています。
先行してリリースされたライブ映像作品『
TOUR 1991 BIRTH』(
1991年)と共通する映像も含まれていますが、本作では『
TOUR 1991 BIRTH』には収録されていなかった楽曲が新たに追加収録されています。
生涯最後のパフォーマンス
この代々木オリンピックプールでのライブは、
尾崎豊が生前最後に立った大規模なステージとなりました。特に、アンコールの最後に演奏された楽曲「ダンスホール」は、彼が生涯で最後に公のライブステージで歌唱・演奏した楽曲として知られています。
「ダンスホール」の演奏後、尾崎自身が客席に向けて「また次のツアーで会いましょう」と語りかけましたが、残念ながら翌
1992年4月25日に急逝したため、この言葉が実現することはありませんでした。このMCは、彼の最後の公でのメッセージとしてファンの心に刻まれています。
本作は尾崎の逝去後に発表された作品ですが、プロデュースのクレジットには彼自身の名前、「Produced by Yutaka Ozaki」が記されています。
オリジナル版と完全版の違い
オリジナル版 (VHS, LD) 収録曲
全曲、作詞・作曲:
尾崎豊
FIRE
Driving All Night
十七歳の地図
Scrambling Rock'n'Roll
僕が僕であるために
きっと忘れない
卒業
KISS
Freeze Moon
太陽の破片
誕生
I LOVE YOU
15の夜
ダンスホール
完全版 (DVD) 収録曲
完全版は正式名称に『COMPLETE EDITION』が加わります。
メニュー画面のBGMには、この時のバックバンドであるTHE BIRTH TOUR BANDによるインストゥルメント・アルバム『NO ONE IS TO BLAME』に収録されている「虹」が使用されています。
全曲、作詞・作曲:
尾崎豊
FIRE
Driving All Night
十七歳の地図
Scrambling Rock'n'Roll
僕が僕であるために
ロザーナ※
虹※
きっと忘れない
COOKIE※
卒業
LOVE WAY※
KISS※
RED SHOES STORY
Freeze Moon※
永遠の胸
太陽の破片
誕生
I LOVE YOU
15の夜
ダンスホール
※印が付いている楽曲は、前奏や歌詞の一部などがカットされており、フルコーラスでの収録ではありません。これらの楽曲の一部は、先行映像作品である『
TOUR 1991 BIRTH』の方でフルサイズを見ることができます。なお、このライブではアンコールで「シェリー」が演奏されたり、曲間にMCがあったりと、本作や他の映像作品には未収録・未映像化の部分も存在すると言われています。
参加ミュージシャン
このライブを共に創り上げたのは、尾崎のバックを固めたTHE BIRTH TOUR BANDのメンバーです。
尾崎豊 - ボーカル、
ギター、
ピアノ
西本明 - キーボード
長田進 -
ギター
鈴川真樹 -
ギター
渡辺茂 - ベース
滝本季延 - ドラムス
里村美和 -
パーカッション
関誠一郎 -
サクソフォーン、キーボード
岩本章江 - コーラス
山根栄子 - コーラス
本作は、
尾崎豊の最後のステージを記録した貴重な映像資料として、多くのファンにとって欠かせない作品となっています。