紅玉いづき

紅玉いづき：多様なジャンルを彩る作家

紅玉いづき氏は1984年石川県金沢市生まれの小説家です。金沢大学文学部卒業後、数々の作品を発表し、幅広い読者層から支持を得ています。小学生時代から小説創作に親しみ、コバルト文庫に強い影響を受けたと語っています。

電撃小説大賞受賞と初期作品

2006年、『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞大賞を受賞。電撃文庫では珍しい挿絵なしの児童文学的な作風が話題を呼びました。受賞時のペンネームは紅玉伊月で、誕生石であるルビーに由来しています。その後も『MAMA』『雪蟷螂』と続く人喰い三部作や、その続編である『毒吐姫と星の石』など、幻想的な世界観を持つ作品を発表し続けました。これらの作品は、後にメディアワークス文庫から完全版として再刊行され、新たな収録作品も加えられています。

多様なジャンルへの挑戦

紅玉いづきの作品はライトノベルにとどまらず、多様なジャンルに広がっています。角川つばさ文庫の『ようこそ、古城ホテルへ』シリーズでは、古城ホテルを舞台にしたミステリアスな物語を展開。星海社FICTIONSの『サエズリ図書館のワルツさん』シリーズでは、図書館を舞台にしたファンタジーミステリに挑戦し、創元推理文庫からも刊行されています。講談社タイガからは『大正箱娘』シリーズを発表。時代劇風ミステリとして人気を博しています。その他、電撃文庫で発表された『悪魔の孤独と水銀糖の少女』シリーズや、メディアワークス文庫、ポプラ文庫ピュアフルなどからも多くの作品が刊行されています。また、ゲームシナリオやTRPGリプレイにも参加するなど、その活動は多岐に渡ります。

コバルト文庫への熱い思いと『少女文学』

紅玉いづきは、コバルト文庫への強い愛着を常に持ち続けています。2019年には、コバルト文庫の紙書籍刊行停止というニュースを受け、自ら同人誌『少女文学』を創刊。かつてコバルト文庫で活躍した作家たちや、同世代の作家たちと共に、少女小説・少女向けライトノベルの創作・発表の場を提供しています。2019年から現在までに7号と別館2冊を発行しており、多くの作家が参加し、高い評価を得ています。

会社設立と今後の活動

2022年には、同人活動を通じて親交を深めた作家仲間と共に株式会社ツクリゴトを設立し、社長に就任。小説家としての活動に加え、企業経営者としての顔も持ち合わせています。2023年には日本SF作家クラブ会員にも選ばれ、ますますその活躍の場を広げています。

まとめ

紅玉いづきは、電撃小説大賞受賞作家としてのキャリアを礎に、ライトノベル、ミステリ、ファンタジーなど幅広いジャンルの作品を発表し続けています。コバルト文庫への深い愛情から生まれた『少女文学』の編集長としての活動や、会社経営など、その活動は多岐に渡り、日本の文壇において重要な存在となっています。今後も、その類まれな才能で、多くの読者を魅了し続けることでしょう。

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