純正
純正という言葉は、元来、純粋で正しい状態や、混じりけのない様を表す形容動詞として使われてきました。これが転じて、工業製品の分野では、製品を製造・販売するメーカー自身が供給する部品やアクセサリー、周辺機器などを指す名詞としても用いられるようになりました。単に「純正」と略称されることもあります。
純正品の対義語としてよく用いられるのが「サードパーティー製品」、あるいは「社外品」です。これらは製品メーカー以外の第三者的な企業が製造・販売するものを指します。
製品メーカーが自社製品向けに供給する部品や周辺機器を「純正品」と呼びますが、製品メーカー自身がその全てを製造しているわけではありません。現代の複雑な工業製品は、膨大な数の部品で構成されており、企画・開発・製造・販売を一貫して行う製品メーカーが、全ての部品まで自社でまかなうのは、コストや効率の面から現実的ではないからです。
そのため、純正品として製品メーカーが販売する部品は、おおよそ以下の三種類に分類できます。
製品メーカーが自ら製造している部品
製品メーカーが部品製造専門の会社（部品メーカー）に特定の仕様や性能を指定して製造させた部品
汎用的な規格に基づき製造された部品（例：ネジ、電線など）
これらのことから、純正品とは「製品メーカーが自社の製品を製造する際に使用した部品と同等、あるいはそれに準ずるものとして、製品メーカー自身が品質を認定し、販売している部品」と定義できます。
なお、純正部品を製造している部品メーカーが、製品メーカーに納めているものと同一または同等の品を、製品メーカーの認定を受けずに独自に「純正」または「純正対応」と称して市場に流通させるケースもあります。しかし、これらは厳密には純正品とは区別され、通常はサードパーティー製品（社外品）として扱われます。このような非認定品を使用した場合、製品のメーカー保証や修理、クレーム対応などが受けられなくなる可能性があるため注意が必要です。
コンピュータ分野では、ハードウェアメーカー自身が製造または供給する機器や部品を「純正」と称することが一般的です。サードパーティー製の周辺機器と比較すると、一般的に価格は高めですが、特にメモリやCD-ROM/DVD-ROMドライブなどで「純正品」という区分が見られます。
周辺機器の種類によっては、純正品でないと正常に動作しなかったり、動作が不安定になったりする場合があります。特に、CD-ROMドライブを内蔵していないノートパソコンでは、メーカー純正のCD-ROMドライブを使用しないと、システムのリカバリー（購入時の状態に戻す作業）ができないケースが少なくありません。
一眼レフカメラをはじめとするカメラの世界でも、カメラ本体メーカーが製造・供給する交換レンズやストロボなどの周辺機器を「純正品」と呼ぶことが一般的です。サードパーティー製の製品に比べて高価な傾向がありますが、カメラ量販店などで比較的容易に入手できるのが特徴です。
自動車やオートバイの分野でも、部品はその供給元によって「純正品」と「アフターマーケット品」または「サードパーティー品（社外品）」に大別されます。自動車やオートバイにおける純正品と社外品の基本的な違いは前述の概要と同様ですが、社外品には大きく分けて二種類があります。
1. 純正代替型（互換品）: 純正部品とほぼ同等の性能や品質を持ち、交換や修理用として使用されるもの。純正品と同等か安価であることが多いです。
2. 機能向上型: 純正部品よりも性能や品質の向上、あるいは新たな機能の追加などを目的としたもの。純正品より高価であることが多いです。
エンジンやシャシーなどを複数の車種で共通して使用することが多い自動車では、共通部品の流通量が見込めるため、純正代替型の社外品が広く普及しています。メーカー保証期間が終了した低年式車などでは、安価な社外品を利用して整備や修理を行うという選択肢も一般的です。
一方、自動車に比べてエンジンやシャシーの共通化が少ないオートバイでは、純正代替型の社外品は自動車ほど一般的ではありません。ただし、原動機付自転車などの小排気量スクーターやビジネスバイクのように販売台数の多い車種では、比較的多くの純正代替型社外品が流通しています。その反面、自動車以上に趣味性の高い車種が多いオートバイでは、機能向上型の社外品が豊富に流通しており、オートバイの世界で単に「社外品」と言うと、こうした性能向上を目的とした部品を指す場合が多いです。
バス車両においては、シャーシを製造するメーカーの系列にある車体製造会社（コーチビルダー）が製造した車体を「純正車体」や「純正ボディ」と呼ぶことがあります。日本のバスシャーシメーカー各社では、特定の車体メーカーを「純正ボディメーカー」として指定しています。
サードパーティー
インクカートリッジ
掃除機（紙パック）
カスタム
タイトルに「純正」を含むページの一覧
純正品の対義語としてよく用いられるのが「サードパーティー製品」、あるいは「社外品」です。これらは製品メーカー以外の第三者的な企業が製造・販売するものを指します。
純正品の定義と分類
製品メーカーが自社製品向けに供給する部品や周辺機器を「純正品」と呼びますが、製品メーカー自身がその全てを製造しているわけではありません。現代の複雑な工業製品は、膨大な数の部品で構成されており、企画・開発・製造・販売を一貫して行う製品メーカーが、全ての部品まで自社でまかなうのは、コストや効率の面から現実的ではないからです。
そのため、純正品として製品メーカーが販売する部品は、おおよそ以下の三種類に分類できます。
製品メーカーが自ら製造している部品
製品メーカーが部品製造専門の会社（部品メーカー）に特定の仕様や性能を指定して製造させた部品
汎用的な規格に基づき製造された部品（例：ネジ、電線など）
これらのことから、純正品とは「製品メーカーが自社の製品を製造する際に使用した部品と同等、あるいはそれに準ずるものとして、製品メーカー自身が品質を認定し、販売している部品」と定義できます。
なお、純正部品を製造している部品メーカーが、製品メーカーに納めているものと同一または同等の品を、製品メーカーの認定を受けずに独自に「純正」または「純正対応」と称して市場に流通させるケースもあります。しかし、これらは厳密には純正品とは区別され、通常はサードパーティー製品（社外品）として扱われます。このような非認定品を使用した場合、製品のメーカー保証や修理、クレーム対応などが受けられなくなる可能性があるため注意が必要です。
各分野における純正品
コンピュータ
コンピュータ分野では、ハードウェアメーカー自身が製造または供給する機器や部品を「純正」と称することが一般的です。サードパーティー製の周辺機器と比較すると、一般的に価格は高めですが、特にメモリやCD-ROM/DVD-ROMドライブなどで「純正品」という区分が見られます。
周辺機器の種類によっては、純正品でないと正常に動作しなかったり、動作が不安定になったりする場合があります。特に、CD-ROMドライブを内蔵していないノートパソコンでは、メーカー純正のCD-ROMドライブを使用しないと、システムのリカバリー（購入時の状態に戻す作業）ができないケースが少なくありません。
カメラ
一眼レフカメラをはじめとするカメラの世界でも、カメラ本体メーカーが製造・供給する交換レンズやストロボなどの周辺機器を「純正品」と呼ぶことが一般的です。サードパーティー製の製品に比べて高価な傾向がありますが、カメラ量販店などで比較的容易に入手できるのが特徴です。
自動車・オートバイ
自動車やオートバイの分野でも、部品はその供給元によって「純正品」と「アフターマーケット品」または「サードパーティー品（社外品）」に大別されます。自動車やオートバイにおける純正品と社外品の基本的な違いは前述の概要と同様ですが、社外品には大きく分けて二種類があります。
1. 純正代替型（互換品）: 純正部品とほぼ同等の性能や品質を持ち、交換や修理用として使用されるもの。純正品と同等か安価であることが多いです。
2. 機能向上型: 純正部品よりも性能や品質の向上、あるいは新たな機能の追加などを目的としたもの。純正品より高価であることが多いです。
エンジンやシャシーなどを複数の車種で共通して使用することが多い自動車では、共通部品の流通量が見込めるため、純正代替型の社外品が広く普及しています。メーカー保証期間が終了した低年式車などでは、安価な社外品を利用して整備や修理を行うという選択肢も一般的です。
一方、自動車に比べてエンジンやシャシーの共通化が少ないオートバイでは、純正代替型の社外品は自動車ほど一般的ではありません。ただし、原動機付自転車などの小排気量スクーターやビジネスバイクのように販売台数の多い車種では、比較的多くの純正代替型社外品が流通しています。その反面、自動車以上に趣味性の高い車種が多いオートバイでは、機能向上型の社外品が豊富に流通しており、オートバイの世界で単に「社外品」と言うと、こうした性能向上を目的とした部品を指す場合が多いです。
バス
バス車両においては、シャーシを製造するメーカーの系列にある車体製造会社（コーチビルダー）が製造した車体を「純正車体」や「純正ボディ」と呼ぶことがあります。日本のバスシャーシメーカー各社では、特定の車体メーカーを「純正ボディメーカー」として指定しています。
関連項目
サードパーティー
インクカートリッジ
掃除機（紙パック）
カスタム
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