純資産

純資産とは

純資産とは、会計上の概念で、企業の総資産から負債総額を差し引いた金額を指します。この金額がマイナスであっても、会計上は「純資産」として扱われます。

貸借対照表における純資産

貸借対照表は、企業の資産、負債、純資産の3つの要素で構成されています。純資産は、負債と共に貸方に記載され、企業の自己資本を表します。純資産は、株主に帰属する部分（株主資本）とそれ以外の部分に区分されます。

純資産の変遷

以前は、純資産は資本、自己資本、株主資本などと呼ばれていましたが、2005年12月に企業会計基準委員会が「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」を定め、「純資産」が正式名称となりました。

純資産の構成要素

純資産は、以下の要素で構成されています。

1. 株主資本

資本金: 会社設立時に株主が出資した金額。
新株式申込証拠金: 新株発行の際に払い込まれたお金。
資本剰余金: 資本取引によって生じた剰余金。
資本準備金: 株式払込剰余金などの法定準備金。
その他資本剰余金: 自己株式の処分差益など。
利益剰余金: 企業の利益から生まれた剰余金。
利益準備金: 会社法で積み立てが義務付けられている法定準備金。
その他利益剰余金: 任意積立金や繰越利益剰余金など。
自己株式: 会社が自社で保有する株式（控除項目）。
自己株式申込証拠金: 自己株式を販売する際に事前に領収する証拠金。

2. 評価・換算差額等

その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
土地再評価差額金
為替換算調整勘定
繰延税金資産・負債修正差額

3. 新株予約権

4. 非支配株主持分

連結会計特有の項目で、親会社が支配する子会社のうち、親会社以外の株主が保有する持分。

純資産に関する重要な変更点

評価・換算差額等については、関連する繰延税金資産または繰延税金負債を控除します。
以前は負債または資産とされていた項目が純資産に分類されるようになりました。
合併差益は廃止され、全額が当期利益となります。
親会社株式については、連結会計において非支配株主との配分が行われます。

純資産に関連する項目

剰余金
準備金
自己資本比率
* 自己資本利益率

純資産は、企業の財政状態を把握し、経営の安定性や成長性を評価するための重要な指標となります。

もう一度検索