紙幣識別機

紙幣識別機と紙幣鑑別機

紙幣識別機と紙幣鑑別機は、紙幣の真贋を判定する装置です。主に自動販売機やATMに内蔵され、現金の取り扱いを自動化する上で重要な役割を果たしています。両者には、真贋判定の精度や処理能力に違いがあり、それぞれ異なる用途で利用されています。

紙幣識別機

紙幣識別機は、主に自動販売機に内蔵されており、投入された紙幣の金種を分類し、簡易的な真贋判定を行います。紙幣が投入されると、内部のベルト機構によって搬送され、可視光センサーや磁気センサーなどの複数のセンサーによって紙幣の表面が検査されます。

金種判定: 紙幣の幅や長さといった物理的なサイズを計測し、あらかじめ記憶されたデータと照合することで金種を特定します。
真贋判定: 磁気センサーで紙幣の磁気インクを読み取り、記憶された磁気データと一致するかを確認します。可視光センサーは、紙質を検知し、コピー用紙のような初歩的な偽造紙幣を見破るために使用されます。

真贋判定に合格した紙幣は、自動販売機内部で金額表示や商品選択などの処理が行われた後、スタッカーに格納されます。不合格となった場合や購入が取り消された場合には、紙幣は投入口に戻されます。

紙幣鑑別機

紙幣鑑別機は、紙幣識別機よりも高度な真贋判定機能を持つ装置で、主に銀行のATMなどに使用されています。紙幣の真贋をより高い精度で判定できるだけでなく、枚数を計数したり、金種別に分類する機能も備えています。

高速処理: 紙幣識別機が1枚ずつ処理するのに対し、紙幣鑑別機は高速で紙幣を処理できます。
偽造防止: 紙幣鑑別機は、偽造紙幣を検知するために、可視光線センサー、赤外線センサー、紫外線センサーなどを複合的に使用します。特に、紙幣の通し番号である「記番号」を画像処理によって読み取り、過去の偽札データと照合することで、より精度の高い真贋判定を実現しています。
情報更新: 最新の偽造情報に対応するため、機種によってはUSB経由でPCから最新情報を取り込めるものもあります。
光学式センサー: 反射型と透過型の光学式センサーが使用され、透過型センサーは紙の厚みや紙質を含めた両面からの情報を取得します。

ただし、メーカー側も、いまだに発見されていない精巧な偽札を完全に鑑別できるとは保証していません。

まとめ

紙幣識別機と紙幣鑑別機は、どちらも紙幣の真贋を判定する装置ですが、求められる精度や機能が異なります。自動販売機では、簡易的な識別機能を持つ紙幣識別機が使用され、銀行のATMなどでは、より高度な鑑別機能を持つ紙幣鑑別機が使用されています。これらの装置は、日々進化する偽造技術に対抗するため、常に技術革新が続けられています。

関連項目

両替機
現金自動預け払い機 (ATM)
自動券売機
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強制通用力
松村テクノロジー

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