紙火薬

紙火薬について

紙火薬（かみかやく）は、花火の一種で、少量の火薬が紙の上に配置されたものです。通常は玩具として使用され、打撃を加えることで小さな爆発を起こし、火花や破裂音、煙などを楽しむことができます。代表的な種類は、平玉火薬と巻玉火薬に分かれます。これらは、ピストル型の玩具やダーツ型の投擲玩具に使用されます。

種類

平玉火薬

平玉火薬（ひらだまかやく）は、特に赤いミシン目の紙に5×10列で小粒の火薬が等間隔に配置された紙火薬です。日本の法律で、一粒の直径は4.5ミリメートル以下、高さは1ミリメートル以下、火薬量は0.01グラム以下と定められています。かつてはモデルガン用の火薬として利用されており、特にコブラキャップの代用品としてチェックされていましたが、1980年代以降には国産のキャップ火薬にその地位を奪われています。しかし、販売や購入に制限がないことから、運動会用のミニ雷管としての需要もあり、現在も製造・販売されています。

競技用紙雷管

競技用紙雷管は、スターターピストルで使われるもので、平玉火薬よりも火薬量が多い黄色のシートで構成されています。法律により、一粒の直径は9ミリメートル以下、高さは1.5ミリメートル以下、火薬量は0.07グラム以下とされています。かつては無制限に購入できたためモデルガンでも使われましたが、現在では都道府県の許可が必須となっています。この競技用紙雷管は、強い衝撃を受けると壊れることがあるため、注意が必要です。

巻玉火薬

巻玉火薬（まきだまかやく）は、幅5mmの紙テープに100発の小粒火薬を配置したもので、直径は3.5ミリメートル以下、高さは0.7ミリメートル以下、火薬量は0.004グラム以下です。主に低年齢向けの遊戯銃に使われ、戦後にはアメリカのキャップガンが日本に輸入されたことから、多くの国産品が登場しました。しかし、安全性の高い国産キャップ火薬の普及に伴い生産は終了し、現在は少数の中国製品が流通している状況です。巻玉火薬は他にもオイルライターに使われることがあります。

用途

紙火薬は主に遊戯銃に装填して使用され、引き金を引くたびに音を楽しむことができます。戦後、缶詰工場の廃材から作られた玩具として、特に銀玉鉄砲が発売されるまで下町の少年たちに人気を博しました。ブリキ製やアンチモニー製の鋳物ケースに組み込まれたモデルが存在し、巻き玉火薬で連射することができましたが、やがて銀玉鉄砲に人気を奪われました。各地域によって様々なバリエーションが存在し、平玉火薬は音が大きく単発式が主流ですが、デラックスタイプも一部では存在しました。

ジャンプ弾

ジャンプ弾は、ロケットやダーツの形を持つ投擲玩具で、先端部に紙火薬が取り付けられています。投げ落とした際の衝撃で起爆する構造になっており、特に1970年代には「レトロ玩具」として広く楽しまれていました。製品は壊れやすく、不発の報告もありますが、子供たちにとっては大変魅力的なアイテムでした。

問題点

紙火薬は取り扱いが容易であるため、事故の原因となりやすいという問題があります。競技用紙雷管の販売規制は、過去の負傷事故が影響しており、1970年代のモデルガンでは、取り扱い上の注意を要することが多々ありました。これを受けて、1発ずつの火薬を充填した「キャップ火薬」が国産化され、これにより安全性の向上が図られました。

脚注・参考文献

ここでは紙火薬とその歴史、各種の取り扱いについて触れましたが、関心のある方はさらに詳しい文献を参考にするとよいでしょう。

関連項目

• - 花火
• - 癇癪玉
• - 遊戯銃
• - 銃用雷管

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