素首落とし

素首落とし

素首落とし（そくびおとし）は、大相撲の決まり手の一つです。相手の首、特に後頭部を上から手で叩き、その勢いで相手を前方へ倒す技を指します。この技は、2001年1月場所において新たに制定された12種類の決まり手の一つとして加えられました。

概要

素首落としが制定された直後の2001年1月場所13日目には、関脇であった若の里が横綱武蔵丸に対してこの技を決め、大きな話題となりました。しかし、実際に素首落としが決まるケースは比較的少なく、珍しい決まり手として知られています。

叩き込みとの違い

素首落としと類似した技に「叩き込み」があります。この二つの技の主な違いは、叩く部位にあります。素首落としの場合、手が触れる部位は相手の頭部に限定されます。もし、相手の背中などに少しでも手が触れていれば、それは叩き込み、あるいは引き落としと判定される可能性があります。

また、力士の髷（まげ）に手がかかってしまうと、反則負けと見なされることもあります。このように、素首落としは成立させるための条件が厳しく、非常に繊細な技術が求められる技と言えるでしょう。

近年の事例

以下に、近年素首落としが決まった事例をいくつか紹介します。

2006年9月場所14日目: 千代大海 - 朝青龍
2013年9月場所10日目: 時天空 - 琴勇輝
2014年1月場所2日目: 芳東 - 蒼国来 (十両)
2014年5月場所中日: 栃煌山 - 豊ノ島
2014年9月場所4日目: 芳東 - 千代皇 (十両)
2014年9月場所4日目: 鶴竜 - 碧山
2015年1月場所12日目: 貴ノ岩 - 栃飛龍 (十両)
2015年3月場所5日目: 安美錦 - 豪風
2017年1月場所14日目: 玉鷲 - 荒鷲
2024年9月場所14日目: 翔猿 - 湘南乃海

これらの取り組みからもわかるように、素首落としは幕内だけでなく十両の取組でも見られることがあります。

まとめ

素首落としは、相撲の決まり手の中でも特に技術とタイミングが重要な技です。頭部のみを狙うという限定的な条件や、髷への接触による反則のリスクなど、成立の難しさがこの技の希少性を高めています。今後、素首落としが決まる場面に注目し、その高度な技術を堪能してみてはいかがでしょうか。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧

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