細川教春 (野州家)

細川教春の生涯

細川教春（ほそかわ のりはる）は、室町時代中期に活躍した守護大名であり、細川持春を父に持つ細川野州家の三代目当主です。彼は丹波国を領地としており、また足利義政に仕えた御供衆の一員でもありました。教春の人生は多くの未解決の部分で覆われていますが、彼の近親者に関する情報によって、ある程度の背景が浮かび上がります。

家督相続

教春は、元服の際に室町幕府の6代将軍である足利義教から特別な授与を受け、「教」という字を与えられました。この「教」の字は前の代の父、持春から取られたもので、教春の名前の由来となっています。義教の在職期間は1428年から1441年であり、その弟の政国も同じ時期に生まれました。このため、教春の生年は1410年代後半から1420年代前半であると考えられています。父持春は義教に仕えており、教春もまたそのもとで仕官していたと見られます。

しかし、嘉吉元年（1441年）に発生した嘉吉の変によって、義教が暗殺される悲劇が発生します。この事件には持春も参戦し、重傷を負いながらも奮闘しました。持春がこの事件を契機に引退した場合、教春が家督を継いだのはこの後になると考えられますが、持春は1466年まで生存していたため、家督はその後に継いだ可能性もあります。

応仁の乱

義教の死後、彼の子供たちである義勝および義政が将軍の座に就くことになります。教春の正確な活動内容は不明な点が多いものの、応仁の乱（1467年 - 1477年）発生時には重要な役割を果たしていたことが記録されています。この大乱では、教春は丹波勢2千余人を率いて東軍（細川勝元が大将）に参加しました。これにより戦争の舞台が京から丹波にまで広がりました。

応仁の乱は、将軍継嗣問題や細川勝元と山名宗全の対立に端を発したものでした。勝元は山名家との婚姻を通じて親密な関係を保っていましたが、後にその関係は破綻し、事件が濁流のように広がりました。特に、勝之を養子に迎えつつも、実子の聡明丸を一時的に廃嫡したことが、両家の間に新たな対立を生み出しました。

戦乱の終息に近づくと、細川家と山名家の講和が模索され、勝之を廃嫡し聡明丸を勝元の嫡子にするという案が提案されましたが、教春と勝之はこれに反対し、山名家や穏健派との対立が続きました。結局、文明5年（1473年）に宗全と勝元が相次いで亡くなり、聡明丸が家督を継承することとなりますが、教春の死後には息子の政春が家を継ぎました。

系譜と家族

教春の家族や系譜については以下の通りです。彼の父は細川持春で、母は不詳です。教春は徳大寺公有の娘と結婚し、息子には細川政春、細川勝之、そして細川春倶がいます。また、兼子や日野政資の妻としても名を連ねています。このように、教春の血筋は多様な人物と結びつき、彼の家系は室町時代の中でも特に興味深いものの一つです。

転機の年代

教春の活動が確認されているのは1460年代から1470年代にかけてですが、彼の死後、嫡男の政春が家督を継いでからも家の歴史は続いていきます。特に、明応2年（1493年）頃からは政元による明応の政変が周囲を賑わせ、その影響が教春の家系にも色濃く残りました。

教春の人生は、応仁の乱を背景にした波乱に満ちたものだったと言えるでしょう。

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