山名宗全

山名宗全の生涯と業績

山名宗全（やまな そうぜん）、本名持豊（もちとよ）は、室町時代に生きた武将であり、守護大名。彼は1413年に生まれ、新田氏の庶流にあたる山名氏の一員として、但馬や備後、安芸などを治めていました。

家族と出自

宗全は山名時熙の三男であり、母は山名氏清の娘です。彼は応永20年（1413年）の元服において、4代将軍足利義持から名の一字を受け持豊と名乗ります。初陣は父の従弟である因幡守護山名熙高とともに備後国の討伐に従事し、次第にその名を知られるようになりました。

家督相続と初期の活動

宗全は後の永享3年（1431年）には家督を相続し、守護大名としての地位を確立します。その後、彼は父代わりとして幕府に仕え、1439年には正四位下左衛門佐に叙任されました。嘉吉の乱で赤松氏の反乱を受けては、見事にこれを鎮圧し、さらなる領地拡大に成功しました。

隠居と出家

彼は1442年に出家し宗峯と名乗り、その後宗全に改名しました。この時期は多くの領地を獲得し、赤松氏との関係を築くことで支配権を強化しましたが、一方で独断的な行動も目立ちました。

応仁の乱

宗全は応仁の乱（1467年）において西軍の総大将となり、将軍足利義政らと連携を図りながらも、複雑な人間関係に翻弄されます。戦局は次第に膠着状態に入る中、内部分裂や対立も生じ、彼は難しい立場に立たされていきました。特に、宗全の死去後も争いは続き、幕府の権威は低下していきます。

晩年と死

1473年、宗全は病に倒れ、3月18日に70歳で亡くなります。彼の墓所は京都市左京区の南禅寺にあります。彼の死後、実力者の山名家は急速に衰退し、地域の支配力を失っていくこととなります。

人物・性格

宗全はもともと軍人としての素質が強かったとされ、政治的な欲望はあまり見られませんでした。一方で冷徹な判断力や横暴な一面、部下への愛情など、多面的な人物像が見え隠れします。彼の好戦的な性格は多くの戦に影響を与え、さらには彼のニックネーム「赤入道」として知られています。

影響と評価

彼は大名としての権力を持ちながらも、その手法や人間関係の構築能力により、動乱の時代にあって勢力を拡大しました。しかし、彼の死後の家族の分裂や抗争をもったいなく感じる人々も多く、室町時代の激動を象徴する一人として、その名は後世に語り継がれています。

宗全はまた、寺社の保護にも尽力し、地域の文化や宗教にも大きな影響を与えました。彼の業績は、後の時代においても評価され続け、様々な文献や伝説に残されています。

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