御供衆

御供衆（おともしゅう）

御供衆とは、室町幕府将軍の外出に随行した人々のことを指します。また、単なる付き人ではなく、御相伴衆のように幕府内での身分や格式を示す称号としての側面も持っていました。

御供衆の格式と特徴

御供衆の格式は、御相伴衆、国持衆、準国主、外様衆に次ぐものでした。しかし、将軍の外出に常に随行するという点において、将軍に最も近い存在として、名誉ある役職と見なされていました。

形態と役割

御供衆は三番編成で構成され、そのメンバーは御相伴衆を輩出する家の子弟、小規模な守護大名の当主、奉公衆、政所執事である伊勢家など多岐にわたりました。主な役割は、将軍の外出時の行列の準備を整えることであり、遊興などの目的での外出時には随行する必要はありませんでした。随行する人数は5～6名前後と一定ではなく、往復でメンバーが異なることもあったとされています。しかし、御供の中心には常に御剣役がおり、その役割を担う家は固定されていました。また、日野富子には将軍とは別に御供衆が定められていました。

御供衆の成立

御供衆が記録に明確に登場するのは、足利義政の寛正年間（1460年-1466年）頃からです。それ以前は、大名が将軍の外出に随行するのが一般的でしたが、義政の時代になると、将軍の外出機会の増加や、小侍所の形骸化、諸大名間の派閥抗争の激化により、従来の大名による随行が困難になりました。そこで、足利義量が実施していた近習供奉の形式を参考に、新たな制度として御供衆が整備されたと考えられています。義政期に確立されたこの形式は、明応の政変まで維持されました。

成立期に関する補足

かつては、江戸時代中期の有職故実家である伊勢貞丈の説に基づき、足利尊氏の挙兵に随行した武将の子孫が御供衆になったと解釈されていました。しかし、江戸時代末期には松岡行義がこの説に疑問を呈し、『永享以来御番帳』を根拠に足利義教期に成立したとする説が提唱されました。しかし、この名簿と実際の義教の外出に随行した人々との間に差異が見られることから、この名簿は後世に作成されたものであるとの指摘が出ています。その代わりに、義政の寛正5年（1464年）の『糺河原勧進猿楽日記』が、義政の御供衆の最古の名簿であるという見解が有力になっています。

戦国期における変化

戦国時代に入ると、御供衆の構成員は大きく変化しました。しかし、将軍に随行するという実務的な役割があるため、単純な名誉職とはなりませんでした。例えば、将軍の外出には公家様と武家様の形式がありましたが、永正5年（1508年）に足利義尹（義材・義稙）が参内する際に公家様の形式を用いた以降は、ほとんど公家様の形式は行われなくなり、将軍の外出といえば御供衆が随行することが一般的になりました。また、役典として、義晴期や義輝期には毛氈鞍覆や白傘袋の使用が認められていました。さらに、御相伴衆が名誉職化し、将軍の食事の世話をしなくなると、その役割を御供衆が代わりに行うようになりました。

御供衆の一覧

以下は、二木謙一氏の研究を基にした御供衆の一覧です。人名の特定も同氏の研究によるものですが、二木氏が判断に迷ったものには「？」が付されています。記載順は、名簿に記載されている順番を基本とし、表などから集めたものは、同研究における登場年代順ではなく、家ごとにまとめ直しています。また、同研究に拠らないものは「その他」としてまとめています。

戦国以前

二木氏は、『長禄二年以来申次記』に記載された24名について、『糺河原勧進猿楽日記』（寛正5年、1464年）、『斎藤親基日記』・『親元日記』（寛正6年、1465年）の名簿と比較し、17名が重複していることを根拠に採用しています。また、「明応以前」については、『宗五大草紙』所収の文明11年（1479年）の名簿、『親元日記』の文明13年（1481年）の名簿、『常徳院江州御動座当時在陣衆着至』（鈎の陣）、『東山殿時代大名外様附』（明応初年頃）に基づいて書かれた表から、実名が特定できるものを抜粋しました。富樫中務少輔や一色吉原三郎などは除外されています。

戦国以降

戦国時代の名簿は『永禄六年諸役人附』に限られており、以下は古記録から集められています。

義稙期

（具体的な人名は記録により異なるため、割愛）

義晴期

（具体的な人名は記録により異なるため、割愛）

義輝期

『永禄六年諸役人附』に記載された人物

（具体的な人名は記録により異なるため、割愛）

義輝期追加

（具体的な人名は記録により異なるため、割愛）

義栄期

『幕府供参衆参勤触廻文案』（永禄11年2月18日付）に記載された人物

（具体的な人名は記録により異なるため、割愛）

義昭期

宍道隆慶
大館昭長
畠山秋高
一色秋教
和田惟政

その他

（具体的な人名は記録により異なるため、割愛）

脚注

注釈

（具体的な注釈は記録により異なるため、割愛）

出典

大阪府史編集専門委員会 編『大阪府史』 第4巻《中世編 II》、大阪府、1981年5月30日。
二木謙一「室町幕府御供衆」『中世武家儀礼の研究』（吉川弘文館、1985年）

参考文献

田中信司 著「御供衆としての松永久秀--足利義輝三好亭御成の分析から」『日本歴史』第729号、吉川弘文館、2009年2月。

外部リンク

* 『御供衆』 - コトバンク

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