細川重男

細川重男（1962年 - ）は、日本中世史を専門とする歴史学者であり、東洋大学と國學院大學で非常勤講師を務めています。また、日本史史料研究会の主任研究員としても活動しており、中世政治史、特に鎌倉幕府や北条氏に関する研究で知られています。金本正之氏と百瀬今朝雄氏に師事し、東京都で生まれました。

学歴と研究

1987年に東洋大学文学部史学科を卒業後、1990年に同大学大学院文学研究科日本史学専攻修士課程を修了。1993年には立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程を単位取得満期退学しています。1997年には、立正大学から博士（文学）の学位を授与されました。学位論文は「後期鎌倉政権における家格秩序の形成と得宗専制体制」です。

著作活動

細川氏は、鎌倉幕府や北条氏に関する多数の著作を発表しています。主な著書には、以下のようなものがあります。

『鎌倉政権得宗専制論』（吉川弘文館、2000年）
『鎌倉北条氏の神話と歴史 権威と権力』（日本史史料研究会、2007年）
『鎌倉幕府の滅亡』（吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー〉、2011年）
『北条氏と鎌倉幕府』（講談社選書メチエ、2011年）
『執権　北条氏と鎌倉幕府』（講談社学術文庫、2019年）
『頼朝の武士団 将軍・御家人たちと本拠地・鎌倉』（洋泉社歴史新書、2012年）
『頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」』（朝日新書、2021年）
『鎌倉幕府抗争史 御家人間抗争の二十七年』（光文社新書、2022年）
* 『宝治合戦　北条得宗家と三浦一族の最終戦争』（朝日新聞出版、2022年）

これらの著作を通して、鎌倉幕府の政治構造や北条氏の権力基盤、御家人制度の実態などについて、詳細な分析と新たな解釈を提示しています。また、歴史学の専門知識を一般読者にも分かりやすく伝えることを意識した著作も多く、歴史ファンからも支持を集めています。

研究内容の特徴

細川氏の研究は、古文書などの史料を丹念に読み解き、実証的な分析に基づいて緻密に論を展開していくスタイルが特徴です。従来の通説にとらわれず、新たな視点から歴史事象を捉え直すことで、鎌倉時代史研究に新たな地平を切り開いています。特に、北条氏を中心とした得宗専制体制の分析や、御家人制度の変遷に関する研究は、高く評価されています。

その他の活動

研究・教育活動に加えて、日本史史料研究会主任研究員として、史料の調査・研究・公開にも尽力しています。また、一般向けの講演会やセミナーなども積極的に行い、歴史学の普及にも貢献しています。

細川氏のウェブサイト「細川重男の『日本中世史を楽しむ』」では、研究内容や活動に関する情報が発信されています。

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