細江町

細江町（ほそえちょう）：歴史と産業が織りなす奥浜名湖の町

細江町は、かつて静岡県引佐郡に位置し、奥浜名湖の別名「引佐細江」にその名を由来する町でした。2005年に浜松市に編入され、その歴史に幕を閉じましたが、豊かな自然と独自の文化、そして産業の発展は、今も浜松市浜名区の一部として息づいています。

地理

細江町は、遠江国の西部に位置し、浜名湖の北側に広がっていました。都田川や井伊谷川などの河川が流れ込み、豊かな水資源に恵まれた地域です。周辺には、三ケ日町や引佐町など、のどかな町が点在していました。

歴史

細江町の歴史は、1955年、気賀町と中川村の合併によって始まりました。気賀は、江戸時代には本坂通（姫街道）の宿場町として栄え、交通の要衝でした。中川村は、のどかな農村地帯で、豊かな自然が残っていました。合併後、細江町は、これらの歴史と自然を活かしながら、新たな町づくりを進めていきました。2005年、細江町は周辺の11市町村とともに浜松市に編入され、自治体としての歴史を終えました。

行政

浜松市への編入後、旧細江町役場は浜松市細江総合事務所となり、地域住民の行政サービス拠点としての役割を果たしました。その後、浜松市の行政区再編に伴い、細江総合事務所は浜名区役所北行政センターとなっています。旧細江町の区域は、地域自治区として一定の自治権が認められていましたが、2012年に廃止されました。しかし、地域住民の自治意識は高く、現在も様々な地域活動が活発に行われています。

教育

細江町には、複数の小学校と中学校がありました。特に、静岡県立気賀高等学校は、地域の進学校として多くの人材を輩出してきました。しかし、2015年に引佐高等学校、三ヶ日高等学校と合併し、浜松湖北高等学校となり、その歴史に幕を閉じました。

産業

細江町は、行政規模に対して大企業が多いという特徴を持っていました。これは、静岡県西部の世界的な大企業の成長を契機に、発展を遂げたことによります。パルステック工業、ローランド、エフ・シー・シーなどの上場企業が拠点を構え、地域の経済を支えてきました。これらの企業は、検査機器、音響機器、自動車部品など、様々な分野で世界的なシェアを誇っています。

交通

細江町には、天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線が走り、寸座駅、西気賀駅、気賀駅などが設置されていました。かつては、遠州鉄道奥山線も運行していましたが、1964年に廃止されました。現在、気賀駅前には遠鉄バスの営業所があり、浜松駅方面や奥山方面への路線バスが運行しています。道路は、国道257号、国道362号、静岡県道49号細江舞阪線などが通り、交通の便は比較的良好です。

名所・旧跡・観光スポット

細江町には、陣座ヶ谷古墳、細江神社、初山宝林寺、長楽寺など、歴史的な名所・旧跡が数多く存在します。特に、気賀関所は、江戸時代の面影を残す貴重な史跡です。また、細江町立姫街道歴史民俗資料館では、姫街道の歴史や文化に触れることができます。奥浜名湖展望公園からは、浜名湖の美しい景色を一望できます。

出身有名人

細江町出身の有名人としては、幕末から明治期の豪商・開拓者である気賀林、日本画家の野島青茲、元静岡放送アナウンサーの内山絵里加、ファッションモデル・タレントのみちょぱなどがいます。

細江町は、浜松市に編入された後も、その歴史と文化、そして産業の基盤を受け継ぎ、新たな発展を続けています。奥浜名湖の美しい自然に囲まれたこの地は、訪れる人々を魅了し続けています。

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