細胞検査士

細胞検査士とは

細胞検査士（Cytotechnologist; CT）は、細胞病理検査の専門技術者として、主に癌の早期発見や診断を目的とした検査を行います。一般に「細胞診」と呼ばれるこの検査は、人体から採取した細胞サンプルを顕微鏡で観察し、癌細胞や前癌病変に関連する異常細胞の有無を確認することに重点を置きます。細胞検査士は、細胞の採取から保存、結果の精度管理まで、幅広い業務を担当します。

歴史的背景

細胞病理検査は、アメリカの医師パパニコロウによって確立されました。1950年代に始まり、主に子宮頚癌の早期発見を目的としたスクリーニング法として、パップテストが大規模に導入されました。この成果により、子宮頚癌による死亡率が大幅に減少し、細胞診が広く普及しました。現在では、細胞診はさまざまな臓器に関連する腫瘍の検査にも応用されています。

資格取得

日本で正式に細胞検査士の資格を得るためには、日本臨床細胞学会が実施する認定試験に合格する必要があります。細胞検査士の略称はCTやCT JSCなどで、日本臨床細胞学会および日本臨床病理学会によって認定されているものの、国家資格ではありません。

認定試験について

認定試験は二段階に分かれており、まず一次試験が行われます。この試験は、筆記試験と細胞のスライド投影による判定試験が含まれ、毎年11月に東京と大阪で実施されます。一次試験に合格した者は、翌年の一次試験を免除される特典があります。

次に、二次試験があります。こちらは実技試験で、顕微鏡を使用したスクリーニングや細胞の同定、標本作製実技が評価されます。二次試験も毎年12月に東京で行われ、合格率はおおよそ50%です。

受験資格の取得方法

細胞検査士の資格を取得するためには、いくつかの方法があります。主な方法は以下の3つです：
1. 細胞検査士養成課程を提供する大学で、必要な単位を修得すること。
2. 臨床検査技師や衛生検査技師の国家資格を取得し、専門の養成所で6〜7ヶ月間の教育課程を履修すること。
3. 国家資格を持ち、細胞診に関する一定の実務経験を有すること。

これにより、細胞検査士教育は4年制大学が主流となっており、将来的にはさらに教育の高度化が進むと考えられています。

国際資格

細胞検査士の認定試験に合格することで、国際細胞学会による国際細胞検査士（CT(IAC)）の受験資格が得られ、隔年で行われる試験に挑戦する機会があります。国際資格は、様々な国で通用しますが、米国や英国など特定の国では、さらに現地資格が求められる場合があります。

まとめ

細胞検査士は、癌検査において極めて重要な役割を果たしており、専門的な教育と資格を有する必要があります。細胞診の技術は進化を続けており、今後も新しい技術の導入が期待されます。

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