終わりなき旅路の中で…

「終わりなき旅路の中で…」：清木場俊介が問いかける人間の本質

「終わりなき旅路の中で…」（おわりなきたびじのなかで…）は、日本のシンガーソングライター、清木場俊介が生み出した深遠な一曲です。この楽曲は、清木場俊介自身が作詞と作曲の一部を手掛け、作曲においては川根来音氏との共作によって誕生しました。楽曲のサウンドを構築する編曲は弥吉淳二氏が担当し、情感豊かなストリングスアレンジは岡村美央氏によって施されています。

楽曲の発表と展開

この楽曲が初めて世に出たのは、2010年10月27日にリリースされたレンタル限定のミニアルバム『BALLAD SELECTION』でした。その後、同年11月24日に発売された自身のオリジナルアルバム『ROCK&SOUL』にも収められることとなります。『ROCK&SOUL』への収録に際しては、楽曲の冒頭とエンディング部分に新たにコーラスが加えられるといったアレンジの変更が行われました。また、この楽曲は、清木場俊介の音楽世界を深く掘り下げた映像作品『ドキュメンタリー・ミュージックビデオ 宇部三部作』の一つ、『旅路の書篇』のテーマ曲としても位置づけられており、映像と共に楽曲の世界観がより一層深く描かれています。

歌詞に込められた魂の叫び

この楽曲の核心とも言えるのが、清木場俊介自身が手掛けた歌詞です。彼は後にこの作詞作業について、非常に大きな葛藤と恐怖を伴うものだったと振り返っています。歌詞の中で、彼は世界の抱える問題、特に戦争や、なぜ人間が同じ人間を傷つけ、殺すのかといった根源的なテーマに深く踏み込んでいます。これらの社会的な問題を、自分自身がどこまで深く掘り下げ、探求すべきなのか、その道筋が見えず、まさに手探りの状態で言葉を紡いでいったと言います。

彼は、自身の別の楽曲「FAKE」のように、言葉遊びを交えながら怒りをストレートに表現する方が、心理的にははるかに楽だったと語っています。しかし、「終わりなき旅路の中で…」では、あまりにも壮大で、明確な答えが見つからない問い——例えば、人間の本質や世界の理不尽さといったテーマ——を歌い上げることに向き合い、その難しさを痛感した経験を明かしています。清木場は、この楽曲が自身の代表曲の一つである「人間じゃろうが!」に代わる、あるいはそれに匹敵するほど重要なメッセージを内包した楽曲であるとも述べています。社会の暗部に光を当て、人間の深い部分に問いかける、非常にパーソナルでありながら普遍的なテーマを持った作品と言えるでしょう。

楽曲を彩る参加ミュージシャン

この楽曲のレコーディングには、清木場俊介のボーカルとコーラスに加え、多くの優れたミュージシャンが参加し、その世界観を構築しています。ドラムは玉田童夢氏、エレクトリックベースは小池ヒロミチ氏が担当し、楽曲の土台となるグルーヴを生み出しています。編曲も兼任した弥吉淳二氏は、エレクトリックギター、アコースティックギター、さらにはタンバリンといった多様な楽器で彩りを加えています。ピアノは染谷俊氏が演奏し、楽曲に深みを与えています。特筆すべきは、岡村美央ストリングスによる情感豊かなストリングスアレンジと演奏、そして「清木場ちびっこコーラス隊」による温かいコーラスでしょう。清木場ちびっこコーラス隊には、相澤海花さん、青島百花さん、藤澤佑太さんをはじめ、多くの子供たちが名前を連ねており、楽曲に独特の広がりと純粋な響きをもたらしています。これらの多岐にわたる楽器とコーラスが組み合わさることで、『終わりなき旅路の中で…』の壮大なサウンドスケープが完成しています。

収録作品

「終わりなき旅路の中で…」は、以下の作品に収録されています。

ミニアルバム『BALLAD SELECTION』（2010年10月27日）
オリジナルアルバム『ROCK&SOUL』（2010年11月24日）
ライブアルバム『ROCK&SOUL 2010-2011 LIVE』（2011年6月29日）

ライブでの披露

この楽曲は、リリース後に以下のライブで披露されています。

LIVE TOUR「清木場俊介 ROCK&SOUL 2010-2011」（2010年12月18日 - 2011年4月24日）
「清木場俊介 フリーライブ 〜旅路の書〜」（2011年2月11日）

収録映像作品

楽曲の映像は、以下の作品で視聴可能です。

『ドキュメンタリー・ミュージックビデオ 宇部三部作 完全版』（2011年5月25日）
* 『日本武道館 -2011年4月24日 ROCK&SOUL 2010-2011 TOUR FINAL-』（2011年7月27日）

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