終着駅殺人事件

終着駅殺人事件

『終着駅殺人事件』は、西村京太郎による長編推理小説であり、1980年に光文社から刊行されました。この作品は、昭和56年度（1981年）の日本推理作家協会賞を受賞しており、その人気から4度にわたりテレビドラマ化されています。

概要

本作は、『寝台特急殺人事件』、『夜間飛行殺人事件』に続く、西村京太郎の代表的なトラベルミステリーシリーズの一作です。作者自身は、綾辻行人との対談で自選ベスト5を選ぶ際に、トラベルミステリー作品として『寝台特急殺人事件』を選び、『終着駅殺人事件』は選出していません。青山剛昌の推理漫画『名探偵コナン』22巻では、青山剛昌がおすすめの作品として本作を紹介しています。

ストーリー

物語は、青森県立F高校の卒業生である宮本孝が、卒業時に交わした「7年後に再会する」という約束を実行するために、他の卒業生6名に寝台特急「ゆうづる7号」の切符と手紙を送るところから始まります。しかし、出発当日、7人の中の1人である安田章が上野駅に現れず、残りの6人を乗せて列車は出発します。

一方、警視庁の亀井刑事は、旧友から教え子の行方不明者捜索を依頼されます。その帰り道、上野駅で安田章の刺殺体を発見します。安田は最初の犠牲者となります。

列車が仙台を過ぎた頃、今度は川島史郎が姿を消します。川島が見つからないまま列車は青森駅に到着。青森県警は、安田殺害の容疑者として川島を疑いますが、その後川島は鬼怒川で水死体として発見されます。警察は自殺と判断しますが、他殺の可能性も残ります。宮本ら残されたメンバーはホテルに足止めされますが、そこで橋口まゆみが死亡。自殺と思われましたが、他殺の疑いも浮上します。捜査が進展しない中、青森駅の待合室で村上陽子が殺害され、東京では上野駅で片岡清之が毒殺されます。

最終的に、7人の旧友のうち生き残ったのは宮本と町田隆夫の2人だけとなります。十津川警部らは、2人のうちどちらかが犯人だと疑いますが、物理的に単独犯行は不可能であることが判明します。意外な人物が浮かび上がり、7年前の悲劇的な事件が明らかになるにつれて、事件の真相が明らかになっていきます。

テレビドラマ

本作はこれまでに4度テレビドラマ化されています。

1981年 - 『西村京太郎トラベルミステリー1・終着駅殺人事件 上野～青森ミステリー特急「ゆうづる」』（主演：愛川欽也）
2001年 - 『十津川警部シリーズ23・終着駅殺人事件 寝台特急「はくつる」に仕掛けられた卑劣なワナ!』（主演：渡瀬恒彦）
2013年 - 『西村京太郎トラベルミステリー59・終着駅殺人事件 愛と死の寝台特急あけぼの 暗闇に消えた女』（主演：高橋英樹）
2023年 - 『十津川警部の事件簿4 ～終着駅殺人事件～』（主演：船越英一郎）

漫画版

2005年には小林たつよしによって漫画化もされています。

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