終電車 (曲)

終電車

「終電車」は、日本の歌手である桂銀淑（ケイ ウンスク）が、2005年11月30日に東芝EMIより発売した、通算24枚目のシングルです。このシングルは、彼女が抱えていた様々な問題を乗り越え、本格的な歌手活動を再開した時期に発表された重要な作品であり、復帰後の動きを印象づけるリリースとなりました。

本作は、2006年2月22日にリリースされたセルフカバー・アルバム『桂銀淑2006 NEW BEST』からの先行シングルとして位置づけられています。このアルバムは、桂銀淑が東芝EMI在籍時に発表した数多くのヒット曲や人気曲を、新たにアレンジし、歌唱をレコーディングし直した企画盤でした。「終電車」は、そのアルバムの世界観を示す最初の楽曲として選ばれました。

シングルとしては、2001年の「あなたのそばに」以来、およそ4年ぶりとなる単独名義でのリリースとなりましたが、収録された2曲はいずれもこのシングルのために書き下ろされた新作ではありませんでした。

A面に収録された表題曲「終電車」は、作詞を阿久悠、作曲を浜圭介、編曲を若草恵が担当しています。この楽曲のオリジナルバージョンは、1993年4月28日に発売された桂銀淑のオリジナル・アルバム『アモーレ 〜はげしく愛して〜』に初めて収録されました。

カップリング曲の「ワイングラス」は、作詞を大津あきら、作曲を浜圭介、編曲を若草恵が手掛けています。こちらの楽曲は、1991年11月21日にリリースされたオリジナル・アルバム『東京HOLD ME TIGHT』に初めて収録された楽曲です。

これらの楽曲は、もともとアルバムに収録されていたため、シングルのA面やB面として発表されたことはありませんでしたが、長年にわたりコンサートなどで頻繁に披露され、ファンにとっては馴染み深い人気曲となっていました。セルフカバー・アルバム『桂銀淑2006 NEW BEST』の制作にあたり、これらの楽曲は新たなアレンジが加えられ、桂銀淑の円熟した歌唱によって再録音されました。

「終電車」シングルは、活動を再開した桂銀淑が、過去の名曲に新たな息吹を吹き込み、再び音楽シーンで歩みを進めることをファンに示した作品と言えます。特に、作詞の阿久悠、作曲の浜圭介という、桂銀淑のキャリアを支えてきた作家陣による楽曲が選ばれたことは、彼女の音楽性の原点に立ち返りつつ、新たなスタートを切るという意思表示でもあったと考えられます。このシングルを通じて、多くのファンが彼女の歌声の健在ぶりを改めて感じることができ、その後のセルフカバー・アルバムへの期待も高まりました。

このシングルは、彼女のキャリアにおいて、一つの区切りと再出発を象徴するリリースとなりました。過去の楽曲を新たな形で提示することで、自身の音楽的な軌跡を振り返りつつ、未来への一歩を踏み出す姿勢を示した作品です。

収録曲

1. 終電車
作詞：阿久悠
作曲：浜圭介
編曲：若草恵

2. ワイングラス
作詞：大津あきら
作曲：浜圭介
編曲：若草恵

関連事項

1991年の音楽
1993年の音楽
2005年の音楽
桂銀淑2006 NEW BEST
アモーレ 〜はげしく愛して〜
東京HOLD ME TIGHT

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