経済・財務省

フランス経済・財務省：国の経済を司る中枢

フランス経済・財務省（Ministère de l'Économie et des Finances）は、フランスの経済および財政政策を統括する省庁です。日本でいう財務省に相当し、国の経済運営において中心的な役割を果たしています。

歴史

財務大臣の起源は、1561年に設置された大蔵卿（surintendant des finances）に遡ります。その後、財務総監（contrôleur général des finances）を経て、フランス革命後の1791年に財務大臣（ministre des finances）という名称になりました。

1946年には、財政管理と経済政策を一体的に所管する国民経済・財務省（Ministère de l’Économie nationale et des Finances）が初めて設置されました。以降、内閣の交代に伴い、省の名称や権限は時代によって変化しています。

例えば、第2次シラク内閣では経済・財務・民営化省（Ministère de l’Économie, des Finances et de la Privatisation）と称され、ジョスパン内閣では産業が所管となりました。予算や雇用、貿易なども時期によって経済・財務省の管轄となっていたことがあります。

ヴァルス内閣期には、財務・公会計省（Ministère des Finances et des Comptes publics）と経済・生産再建・デジタル省（Ministère de l'Économie, du Redressement productif et du Numérique）に一時分割されました。

任務

経済・財務大臣は、経済、財政、消費、不正防止に関する政府の政策を立案・実施する責任を担っています。また、社会的・連帯経済の促進、予算・租税政策の立案、公会計全体の管理も重要な任務です。

組織

経済・財務省は、大臣の単独管轄下にある事務総局、財務総局、関税・間接税総局、国立統計経済研究所総局、競争・消費・不正防止総局、予算局、財政総局、財務総監察官などを擁しています。また、情報処理・不正資金移転防止活動（TRACFIN）や国家購買部、国家金融IT庁といった専門機関も管轄しています。

さらに、経済・財務大臣は司法大臣や連帯・保健大臣と共同で、フランス汚職防止庁や社会的団結総局、社会保障局などを管轄しています。

歴代大臣

第五共和政以降、数多くの経済・財務大臣がフランス経済の舵取りを担ってきました。各大臣の政策手腕や時代背景が、フランス経済の発展に大きな影響を与えてきたことは言うまでもありません。

庁舎

経済・財務省の庁舎は、パリ12区のベルシー地区、ベルシー橋の袂に位置しています。1988年に竣工した現庁舎は、5つの建物から構成され、広大な敷地を有しています。以前はルーヴル宮殿に所在していましたが、「大ルーヴル計画」に伴い移転しました。

一部部局は、パリ郊外のノワジー＝ル＝グランやモントルイユ、ノワジエル、ヴァンセンヌなどに移転しています。

フランス経済・財務省は、フランス経済の安定と成長を支える重要な役割を担っています。その政策動向は、フランス国内だけでなく、世界経済にも影響を与えると言えるでしょう。

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