経済局 (琉球政府)

琉球政府経済局

琉球政府経済局は、1953年4月1日から1965年7月31日まで存在した行政機関です。この局は、琉球政府の行政事務を担う重要な組織の一つであり、多岐にわたる産業分野を所管していました。

概要

経済局は、1953年の機構改革によって、それまで存在していた資源局と商工局の業務を統合する形で発足しました。これにより、農業、林業、水産業といった一次産業から、工業、商業、観光業などの二次・三次産業まで、幅広い経済活動を一体的に管轄する体制が整いました。経済局は、琉球経済の発展を促進するための政策立案と実行の中心的な役割を果たしました。

1965年8月1日には、経済局は農林局と通商産業局に分離されました。これは、経済活動の専門化と効率化を図るための組織再編の一環でした。この分離によって、各産業分野の政策立案と実行がより専門的に行われるようになりました。

所掌事務

経済局は、以下の事務を所管していました（1961年8月1日現在）。

農業に関すること
林業に関すること
畜産業に関すること
水産業に関すること
工業に関すること
鉱業に関すること
商業に関すること
外資に関すること
観光に関すること
海外移住に関すること
計量に関すること

これらの事務は、琉球の経済基盤を支える上で不可欠なものであり、経済局はこれらの分野における政策立案、監督、指導などを担っていました。

組織

経済局の組織は、以下の通りでした（1961年8月1日現在）。

内部部局

庶務課
農務課
農業改良課
特産課
協同組合課
畜産課
農地課
林務課
水産課
商工課
貿易課
観光課
移住課

これらの内部部局は、それぞれの専門分野を担当し、経済局全体の業務を円滑に進めるための組織的な枠組みを構成していました。経済局には外局は存在しませんでした。

支分部局

営林署
耕地事務所
農業改良普及所

これらの支分部局は、経済局の政策を現場で実行し、地域の実情に合わせたきめ細やかな対応を行いました。

附属機関

計量検定所
農業試験場
模範農場
林業試験場
水産研究所
家畜衛生試験場
動物検疫所
植物防疫所
物産検査所
種苗場
工業研究指導所
移住地駐在所
移住あっせん所

これらの附属機関は、各分野の研究、試験、指導を行い、経済局の政策を科学的根拠に基づいて推進しました。

参考文献

照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。NDLJP:9775065。

関連項目

琉球政府
行政主席

外部リンク

沖縄県公文書館

経済局は、その短い活動期間にもかかわらず、琉球の経済発展に大きく貢献しました。その組織と業務は、琉球政府の行政機構を理解する上で重要な要素となっています。

もう一度検索